米国人アマのギルマンが日本ツアー初出場初優勝…日韓とはあまりにも違うキャディー事情


トータル17アンダーで優勝したアマチュアのクリスティン・ギルマン(カメラ・渡辺 了文)

トータル17アンダーで優勝したアマチュアのクリスティン・ギルマン(カメラ・渡辺 了文)

 ◆女子プロゴルフツアー センチュリー21レディース 最終日(22日、滋賀・瀬田GC西C 6518ヤード、パー72)

 1打差2位から出た日本ツアー初参戦の20歳のアマ、クリスティン・ギルマンが2日目に続き67。通算17アンダーとし、大会記録を2打更新して初優勝を飾った。日本初出場のアマが勝ったのは、2012年6月のサントリーレディスを制したキム・ヒョージュ(韓国)以来、史上2人目の快挙だった。

 ギルマンにとっては初めて回るコース。米国とは芝も違えば、日本ならでは蒸し暑さもあった。不慣れな地で様々な“ハンデ”をものともせず、20歳は3日間を通じて安定したゴルフを見せた。本人は「過去にOBを打った記憶がない」という。ショットの正確性も大きな武器だが、一番驚かされるのは「個人としての強さ」だ。

 ギルマンが今回キャディーとして起用したのは、ブレイデン・ブルックスさん。今大会に出場し20位に入った米国人アマ、シエラ・ブルックスの弟だ。ブレイデンさんとタッグを組むのは今回が初めて。10年ほど両家が親交があるという理由で、キャディーを任せたという。

 シエラの母・ローラさんは「今大会で、彼女(ギルマン)が息子に助言を求めたことは一度もない。息子もゴルフはしているけど、彼女やシエラほど、うまくはないから。彼女は自分を信じて(ピンまでの距離の)計測も(パターの)ライン読みも全て1人でやった。すごいことだと思うわ」とたたえた。

 自分でピンまでの残り距離を計測し、グリーン上でラインを読む。アマならば当然のことだが、日本や韓国のアマと比較すると、ギルマンは特殊なケースだと言えるだろう。

 日韓のアマは、精神面のフォローも含めて、その両親がバックを担ぐことが多い。将来を嘱望されるアマならば、有名な一流コーチがキャディーを務めることもしばしば。時には「手取り足取り」でのラウンドになることもある。二人三脚で戦っているはずだが、過去に日本人アマが女子ツアーで初出場初優勝を飾った例はない。

 16歳の若さで、14年に全米女子アマを制した期待の星は「将来は全米女子オープンで優勝したい」と目標を語った。日本ツアーの歴史にその名を刻んだ20歳は、さらなる高みを目指している。

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