ジャンボがNPO法人設立


NPO法人を設立した尾崎将

NPO法人を設立した尾崎将

 国内男子ゴルフツアー歴代最多94勝の尾崎将司(71)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=は1日、特定非営利活動法人の「NPO法人 JUMBOスポーツ・ソリューション」(理事長・尾崎智春)を設立したことを発表した。

 17年11月に「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を設立し現在、十数人の若手選手が練習に通っている。ジャンボからスイングなどの技術面、精神面、コースマネジメントなどの指導のほか、ルールやマナー、ゴルフへの考え方などを吸収している。先月の関東ジュニア選手権と関東高校選手権では、アカデミー生の佐久間朱莉(埼玉平成高1年)が優勝するなど成果も出始めている。

 また、今年1月には「ジャンボ尾崎ジュニアレッスン会」を開き、全国から約30人が参加した。今後はツアープロやレッスンプロとともに全国各地で「JSSジュニアレッスンサーキット」を開く方針で、9月の福岡を皮切りに12月までの間に3度開催予定となっている。

 以下、NPO法人の相談役となる尾崎将司のメッセージ全文。

 「以前より私のもとには、ジュニアをはじめプロの若手ゴルファーが集っています。彼らをサポートしている理由は、長年にわたって私を支えてくださった方々、そして日本ゴルフ界の発展に貢献することで、少しでも還元できればという強い思いがあります。

 日本においては、ジュニアからの育成環境が大きく発展してきたと感じられますが、日本とアメリカではジュニアの育成スタイルがまるで違う。アメリカ社会ではボランティア活動・チャリティー活動など、社会と一体となってジュニアを育成するマインドが根付いているのです。充実した練習環境で世界トップレベルのプレーに触れ、一流のコースで経験を積む。そんな理想的な環境が驚くほどの低価格で利用できるのがアメリカの育成スタイルです。

 こういったジュニアの成長を促す機会の創出において、日本ではまだまだアメリカと比べて大きく遅れています。ここ数年、若手プロゴルファーの活躍で日本でも「ゴルフ=スポーツ」という観点が根付いてきているかもしれませんが、まだまだ「ゴルフ=娯楽・接待」のイメージも大きく残っているのが現実です。今後はさらに「ゴルフ=スポーツ」という捉え方を社会全体へ、そして子供達に啓発したい。

 野球やサッカーと違い、ゴルフは子供たちが気軽に始められるスポーツではありません。野球のキャッチボールや、サッカーのパス・シュートなどと違い、始めた当初から子供が楽しめるものではないかもしれません。ゴルフをゲームとして楽しむには、膨大な練習や覚えなくてはならない知識があります。ここで挫折してしまっては、光る才能が埋もれてしまうことも。ここで他のスポーツと同様に、子供達の選択肢の一つになれることが日本ゴルフ界の課題の一つ。

 ジュニア育成については、難しく考える必要性はないと考えています。基本をしっかり教えてあげること。技術的なことは徐々に学べば問題ありません。成長期であるジュニアの大きな体の変化を考慮し、その誤差を見分けてやる事が重要。早く上手くさせようと、期待しすぎて周囲が過度な期待をかける環境は負担になります。先ずは「ゴルフ=スポーツ」として捉え、明るく楽しめる環境をつくり、必要な練習を的確にプランニングしなければいけません。そしてスポーツなら当然、成長するもしないも本人の感性次第です。

 私たちはこうした課題に向き合うため、これまでの培った経験を活用し、ジュニアへの機会創出、サポート環境を提供し、日本のゴルフ界を牽引する新しい力を大切に育てていきたいと考えています」

 詳細は以下のサイトで。http://www.jumbo‐ss.net/

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