比嘉、通算9アンダー“勢い”止まらず


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー第4戦 全英リコー女子オープン第2日(3日、英国ロイヤルリザム・アンド・セントアンズGC)

 首位と1打差の2位スタートの比嘉真美子(24)=TOYO TIRES=は1イーグル、4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算9アンダーとしてホールアウト時点で首位タイと大健闘した。6月に大相撲の幕内・勢(31)=伊勢ノ海=との婚約を発表。まさに勢いに乗り1977年全米女子プロの樋口久子(現日本女子プロ協会顧問)以来、日本人2人目の海外レギュラーメジャー制覇を狙う。2日の第1ラウンド(R)はミンジ・リー(22)=オーストラリア=が7アンダーで首位。畑岡奈紗(19)=森ビル=らは出遅れた。

 勢いは本物だ。コース内外の“ロスト”に負けず、比嘉が堂々と優勝争いに加わった。17番で第2打を左の深いラフに曲げ、ロストボール。ダブルボギーをたたいたが、69でまとめ通算9アンダーとして、ホールアウト時点で首位タイ。絶好の位置で決勝Rに進んだ。

 「いいリズムでゴルフができた。17番はミスショットでロストボールになったが、動揺することはなかった。この先も攻めるプレーで楽しみたい」と話した。

 実は今大会前、大事なキャディーバッグが乗り換え空港でロストバゲッジとなり、自分のクラブで練習できたのは第1日の朝からだったが、「逆にリラックスできた」と受け止めた。

 19歳だった2013年に2勝。全英でも初出場ながら7位と大活躍した。しかし、その後、調子を落とし、15年にはどん底を味わった。プロとしては恥ずかしい80台を連発し、17試合連続で予選落ち。大スランプに陥ったプロの多くがそのまま表舞台から消えるが、比嘉は昨年8月のNEC軽井沢で復活優勝を果たした。「試合に出ても、予選も通過できない時期が2年くらいあった。今はあまり細かいことが気にならなくなった」。トラブルに動じない強いメンタルが比嘉の武器だ。

 6月に大相撲の勢との婚約を発表。トップアスリート同士、刺激になることは多い。「ゴルフは長時間プレーするスポーツですが、逆に相撲は数秒で終わってしまうような世界。その一瞬に懸ける集中力や気持ちの持っていき方などがすごく勉強になっています。私も関取(勢)も、もっと高いところを目指して頑張りたい」と話している。

 残り2日。樋口久子以来、日本人2人目のレギュラーメジャー制覇の期待が高まる。「メジャーに出ることは光栄なので、毎日を大切にプレーしたい」と冷静だ。比嘉が“全英場所”で、存在感を発揮している。

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