点滴打って強行出場の石川遼 超一流のプロ根性とスターの資質


ホールアウトし、同組キャディと握手を交わす石川遼

ホールアウトし、同組キャディと握手を交わす石川遼

  ◆男子プロゴルフツアーRIZAP・KBCオーガスタ 第2日(24日、福岡・芥屋GC、7151ヤード=パー72)

 気温30度を越す連日の猛暑の中、16年大会覇者の石川遼選手会長(26)=カシオ=が熱中症のような体調不良を押して強行出場し、日差しと風の強い午後スタートの難条件下で、類いまれなプロ根性とスターの資質を見せつけた。

 選手としてだけでなく選手会長としても多忙。23日も強い日差しの下でプレーし、屋外でのチャリティーサイン会などにも出席した。ラウンド後、練習もみっちりと積んでいた。「ズキン、ズキンと背筋が痛んで。胃けいれんのような感じ」と24日朝、起床時から異変を感じた。

 12時過ぎのスタートに合わせてコースへ。クラブハウス内のレストランで食事を取ろうとしたら「食欲はあるのに、ご飯が全然食べられなくて」。ツアー会場近くの病院から医師を呼び「相談して、点滴を打ってもらいました」。会場内で点滴を受け、軽めの練習をしただけでティーオフした。

 コース内ではプロ魂を披露。体調不良を感じさせないプレーを続け、“千両役者”を演じ切った。この日から用意した氷のうと日傘を手に好プレーを連発。9番パー5では、残り204ヤードから5アイアンでピン左奥6メートルへ2オンしてのイーグル。大喝采の中、右手を突き出してガッツポーズを決めた。32位で出て1イーグル、3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの73で回り、底力で通算1アンダーの29位へと浮上した。

 ホールアウト後、報道陣に囲まれると「(体調は)大丈夫だと思います。自分の判断で、できると思うからやりました。けいれんやめまい、手の震えが出たらやめようと思っていた」と気丈に話した。ラウンド後は練習はせずに車で近くの病院へ。25日の第3ラウンドは、午前8時50分の第1組スタートとなった。25日朝に出場可否を判断するが「やるんだったら、優勝を目指すことしか考えていない」と石川。08年のプロ転向後、一度も棄権がないファン思いの責任感の塊。多くのファンが早い回復を待ち望んでいる。

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