星野陸也、初優勝! 富士の麓で“日本一”背が高いシード選手が5打差圧勝


フジサンケイクラシックで初優勝を飾った星野陸也(中央)は家族と喜びを分かち合った(左から妹・優佳さん、父・宏さん、星野、母・正子さん、姉・麗香さん)

フジサンケイクラシックで初優勝を飾った星野陸也(中央)は家族と喜びを分かち合った(左から妹・優佳さん、父・宏さん、星野、母・正子さん、姉・麗香さん)

 ◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック 最終日(2日、山梨・富士桜CC=7566ヤード、パー71)

 初日から首位を走り続けた星野陸也(22)=フリー=が7バーディー、2ボギーの66で回り、通算16アンダーで念願のツアー初優勝を完全Vで飾った。今季の賞金シードを持つ日本選手32人の中で最も背が高い186センチ。富士の麓のコースで覚醒し、2位以下に5打の大差をつけて圧勝した。

 2位は今平周吾(25)=フリー=。6打差の3位は重永亜斗夢(29)=ホームテック=。10打差の4位は木下稜介(27)=ハートランド=とブラッド・ケネディ(44)=オーストラリア=だった。超変則スイングを持ち味とする韓国の崔虎星(44)=フリー=は70で回り、通算1オーバーで25位。先週のRIZAP KBCオーガスタでツアー初優勝を飾った出水田大二郎(25)=TOSS=は通算4オーバーで45位。5月30日の日本ツアー選手権森ビル杯で招待客に不適切な対応をしたとしてツアー出場を自粛し、先週からツアー復帰した片山晋呉(45)=イーグルポイントGC=は2試合連続で予選落ちした。選手会長の石川遼(26)=カシオ=は体調不良のため欠場した。

 日本一背が高いシード選手が、富士山のようなスケールの大きなゴルフを見せつけた。星野は、標高約1000メートルのコースで300ヤード超のビッグドライブを連発し、4日間で26バーディーを量産。通算16アンダーで圧勝した。2005年の丸山大輔、08年の藤島豊和が持っていた13アンダーの大会コース記録を3打も更新。03年のトッド・ハミルトン(米国)、04年のポール・シーハン(オーストラリア)が静岡・川奈ホテルGC富士Cでマークした大会記録にも1打差に迫った。

 運も味方につけて初優勝に突き進んだ。木下にスタート前の5打差から3打差に詰め寄られて迎えた10番パー4。星野は第2打をグリーン右手前に外した。第3打のアプローチは強めにヒットし、グリーンオーバーしそうなほどだったが、ピンに当たってカップイン。チップインバーディーを決めた。ピンのド真ん中に当たらなければボールは左右に弾かれるが、ボールはまさにピンの芯をとらえた。

 木下がボギーをたたき再び5打差に開くと、富士山のように大きなスケールのゴルフを展開した。250ヤードのパー3。星野はロングアイアンを振り抜くと、ピン右20センチにピタリ。もう少しでホールインワンのスーパーショットでバーディーを奪った。終わってみれば、今平に5打差をつける完勝。ホールアウトした直後、感激の涙を流した。

 186センチ、76キロの大器は夢も大きい。「25~26歳で米ツアーに挑戦したい。究極の目標は海外メジャー優勝です」という野望を明かす。プロ3年目で日本ツアーを初制覇。世界で最も高い頂(いただき)に立つ可能性を秘めていることを証明した。

 ◆星野 陸也(ほしの・りくや)1996年5月12日、茨城・友部町(現・笠間市)生まれ。22歳。6歳からゴルフを始める。2015年、水城高から日大に進学したが、2年で中退し、16年8月にプロ転向。17年からツアーに本格参戦し、1年目から賞金ランク31位でシード権を獲得した。昨季のドライバー平均飛距離は294・18ヤードでランク9位。ゴルフ以外のスポーツ歴は水泳、サッカー、卓球。選手会長の石川遼とは小学生時代から親交があり「弟分」と言われる。愛称は石川が名付けた「リッキー」。186センチ、76キロ。

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