◆女子プロゴルフツアーメジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日(9日、富山・小杉CC=6605ヤード、パー72)
韓国の申ジエ(30)=スリーボンド=が5バーディー、1ボギーのベストスコア68で逃げ切り、5月のワールドレディスサロンパスカップに続くメジャー2連勝、国内ツアー通算20勝目を挙げた。2位のアン・ソンジュ(韓国)らに9打差をつける圧勝劇だった。
これぞ元世界ランク1位の技だった。見せ場は最終18番、グリーン右のラフから放った約20ヤードのアプローチの場面。ウェッジを握り、得意のロブショットで第3打を放つと、ピン50センチに寄せた。パーパットを難なく沈めると、両手で顔を覆い、雨空に突き上げた瞬間、笑顔がこぼれた。これまでメジャー通算2勝の申が、史上10人目のメジャー3冠を成し遂げた。
「この優勝が本当に欲しかった。この試合で勝ちたい、タイトルを取りたい気持ちが強かった。この場(優勝会見の席)にいられるのは本当にうれしい」と喜びをかみしめた。
スタート前、朝食がのどを通らない程の緊張だったが、迎えた1番でいきなりギャラリーを沸かせた。残り145ヤードの第2打を7アイアンで50センチにつけると、幸先良くバーディーを取った。2番も取り勢いに乗ると、5番までにスコアを3つ伸ばし、独走態勢に入った。
17番終了後に降雨によるコースコンディション不良で1時間以上の中断を挟んだが、「勝負の前に待つのは先週(ゴルフ5レディスのプレーオフの末に優勝)に続いて2回目。表彰式がクラブハウスになってしまって残念」と余裕たっぷりに語った。2007年大会、飯島茜の優勝スコア14アンダーを2打更新し、通算16アンダーの大会新記録をマークした。「意識はしていた。自分のプレーに集中すれば上回れると思っていた」と胸を張った。
4日間悪天候に見舞われる中、初日から首位を守り通す完全優勝だ。「天気が悪い方が自分は強いと言い聞かせた。最後まで放棄せずにパーセーブを目標に集中した」と、経験値でも他の選手を圧倒した。
今大会の優勝により、ツアー最高額の賞金3600万円を加算し、これまで首位の鈴木愛(24)=セールスフォース=と2位のアンを一気に抜き去り、賞金ランクで首位に立った。史上初のメジャー4大会すべてを制する生涯グランドスラムに王手を掛けた。今月末のメジャー第3戦、日本女子オープンに勝てば偉業達成となる申は「昨年の2位を上回って、優勝したい」と力を込めた。