今平周吾、フィアンセの前で逆転V「見にきている時に優勝できてうれしい」」


逆転で今季初優勝を飾った今平周吾は婚約者の若松菜々恵さんと手をつなぎガッツポーズで喜んだ(カメラ・今西 淳)

逆転で今季初優勝を飾った今平周吾は婚約者の若松菜々恵さんと手をつなぎガッツポーズで喜んだ(カメラ・今西 淳)

 ◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン最終日(21日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C)

 1打差3位で出た今平周吾(26)=フリー=が7バーディー、2ボギーの66で回り、通算16アンダーで今季初優勝となるツアー通算2勝目。婚約者の若松菜々恵さん(22)が見守る前で後半、5つ伸ばして一時は4打差つけられていた川村昌弘(25)=antenna=を1打逆転した。賞金ランク2位の稲森佑貴(24)=フリー=を約3300万円差に引き離し、初の賞金王となるべく今季中の複数回優勝を誓った。

 フィアンセが見守る前で後半、今平のパットが神懸かった。4打差を追った9ホールで10パット。14、15番で3メートルのパーパットをねじ込んで川村と1打差に食らいつくと、16、17、18番で2メートル、3メートル、1メートル半を沈めて3連続バーディー。ポーカーフェースが代名詞の26歳も川村を逆転した17番、最終18番では力強く右手を突き出し、闘志をあらわにした。

 今季6度目の優勝争い。最終日の後半伸ばせず、惜敗してきた悔しさと反省を生かした。「14番以降はできすぎ。いろいろ経験して優勝するのって本当に難しいな、と感じていた。見にきている時に優勝できてうれしい」。昨年5月の関西オープンで初優勝した際、キャディーを務めたのが婚約相手の若松さんだった。

 当時“美人過ぎるキャディー”と話題になり、今年5月に婚約した。今季も“勝利の女神”となった若松さんは「最後までドキドキハラハラでした。もう格好良かったです 感情に表せられないくらいうれしい。『今年の目標は2勝、3勝』と話していたので。このまま突っ走って賞金王にもなってほしいですね」。挙式に関しては「まだ決まっていません。オフにゆっくり考えたいです」と話した。

 婚約後初勝利を後押ししてくれた恩人が、もう一人いる。賞金ランク1位で迎えた今大会前、憧れの尾崎将司(71)から「周吾、優勝しないで賞金王はないだろ?」。1973年のツアー制施行後、年間0勝の賞金王は一人もいない。歴代最多12度の賞金王のゲキにも見事応え、「来週、あいさつをします」と会場内でお礼することを約束した。「あと6戦、高額賞金大会が続くので、あと1勝できれば」と今平。ジャンボと並ぶ26歳で初の賞金王へ、愛の力もエネルギーに駆け抜ける。(榎本 友一)

 ◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年10月2日、埼玉・入間市生まれ。26歳。8歳でゴルフを始め、2008年日本ジュニアは松山英樹との最終日最終組対決を制して優勝。高校を中退後、米IMGアカデミーで2年間武者修行。09年全米ジュニア選手権ベスト8。11年にプロ転向して、14年に下部ツアー賞金王。15年から賞金シードを獲得中で、昨季賞金ランク6位が最高。ツアー通算2勝。165センチ、60キロ。家族は両親と姉。

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