大学生プロ小木曽、初の首位発進 ツアー史上5人目のマンデーVで成り上がる


9番ティーショットを放つ小木曽喬。初日7アンダーで首位に立った(カメラ・馬場 秀則)

9番ティーショットを放つ小木曽喬。初日7アンダーで首位に立った(カメラ・馬場 秀則)

 ◆男子ゴルフ マイナビABCチャンピオンシップ第1日(25日、兵庫・ABCゴルフ倶楽部=7217ヤード、パー72)

 ツアー参戦3年目の大学生プロ小木曽喬(おぎそ・たかし、21)=福井工大4年=が8バーディー、1ボギーの65で回り、初の首位スタートを切った。22日のマンデートーナメントをぎりぎりで突破して出場権を獲得。ツアー史上5人目の“成り上がり優勝”を目指す。1打差2位は木下裕太(32)=フリー=。10年前の今大会でプロ初優勝を飾った石川遼(27)=カシオ=は71で28位。尾崎将司(71)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=は80で96人中94位。

 大学生であり、プロ。“二刀流”の小木曽がまさに切れ味鋭いショットを見せた。最終9番。残り178ヤードの第2打を5アイアンでピン右50センチにピタリとつけてバーディー締め。ツアー自己最高を2打も更新する65で初の首位に立った。

 出場権の優先順位が低いため、今大会はマンデートーナメント経由で参戦。参加80人で出場枠はわずか9。小木曽はぎりぎり9番目の通過だった。紙一重の戦いを勝ち抜いたことで本戦でコース戦略が研ぎ澄まされた。「マンデーでは第1打でドライバーを使ったが、今日は3ウッドで確実にフェアウェーをキープした。このコースのラフは深いので入れたら1ペナと同じなので」と冷静に振り返った。

 15年に福井工大スポーツ健康科学部に進学したが、1年生の12月にプロ転向。2年生からレギュラーツアー、下部ツアーをまたにかけて戦っている。「やっぱり、試合が重なるので、あまり学校に行けない。どれくらい行っているかは言えませんね。すみません」と恐縮しながら話した。登校日数が少ない分、リポートなどに積極的に取り組み、来春の卒業を目指している。

 賞金ランクは16年204位、17年259位。飛躍した今季は現在78位。日本アマ優勝などの実績を持つが、プロツアーではまだ名前が浸透していない。「岐阜県では『コギソさん』と呼ぶことの方が多いみたいですね。名前を間違えられることはよくあります」と笑う。

 マンデートーナメント経由の本戦優勝はツアー史上4人だけ。「土、日(第3日、最終日)はバタバタしてしまうことが多いのでそこが大事」と勝負所を見据える。“成り上がりV”を成し遂げれば「おぎそたかし」の名前が全国に知れ渡ることになる。(竹内 達朗)

 ◆小木曽 喬(おぎそ・たかし)1997年3月19日、名古屋市生まれ。21歳。6歳からゴルフを始める。福井工大付属福井高3年時の2014年に日本アマ優勝。15年に福井工大進学。同年12月にプロ転向。16年に下部ツアーで1勝。レギュラーツアー最高成績は今年の関西オープン8位。178センチ、72キロ。

 ◆マンデートーナメント 出場権を持たない選手が最後のチャンスとして挑戦する月曜日開催の予選会。開催されない大会の方が多く、過去、本戦を優勝した選手は4人。10年長嶋茂雄招待セガサミーカップを勝った小山内護が最後。

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