初優勝目指し、首位スタートの木下裕太、1番で30センチ外した…入った!


1番、木下裕太のパーパットがカップの淵で一旦止まったかに見えたが、この後カップに落ちる

1番、木下裕太のパーパットがカップの淵で一旦止まったかに見えたが、この後カップに落ちる

 ◆男子プロゴルフツアーマイナビABC選手権 最終日(28日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)

 プロ11年目で念願の初優勝を目指し、首位タイからスタートした木下裕太(32)=フリー=は1番からドタバタ劇を演じた。

 421ヤードのパー4。初めての最終日最終組で緊張の中、放った第1打は左に大きく引っかけ、バンカーへ。フィニッシュは全く取れないほど乱れた。しかし、残り約140ヤードの第2打はバンカーからピン右手前4メートルのグリーンエッジへナイスショット。だが、しかし。パターのバーディートライは30センチショート。「めちゃくちゃ気が弱い」と正直に話す弱点のメンタルが顔をのぞかせた。

 ハイライトはここから。30センチのパーパットを「お先に」タップインしようとしたが、まさかのミス。カップを1周回ってカップ縁に止まった。木下裕の動きも止まった。ギャラリーから大きなため息が漏れた。だが、だが、しかし。その1秒後。ボールはカップに落ちた。ゴルフ規則により、ボールが停止しているか確認するため10秒待つことができるため、木下裕はぎりぎりでパーセーブ。引きつっていた顔は苦笑いに変わった。ギャラリーからどよめきと歓声が起きた。

 茶髪で目つきは鋭い。一見、ヤンキー系だが「めちゃくちゃ気が弱いんです。見た目だけでも偽らないとゴルフをやっていられないので」と恐縮した様子で話す。2番ではボギーをたたき、首位のH・W・リュー(37)=フリー=と1打差の2位に後退。序盤から苦しい戦いが続く。念願のプロ初優勝への道は険しい。

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