【日本S】面白スイングの“虎さん”人気沸騰中…6位後退も初連勝狙う


崔虎星のスイングの連続写真(11月28日撮影)

崔虎星のスイングの連続写真(11月28日撮影)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦 日本シリーズJTカップ第2日(30日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 変則スイングで2週連続優勝を狙う崔虎星(チェ・ホソン、45)=韓国=は71で5打差6位へ後退も、12月に初のサイン会開催が決まるなど人気沸騰中。13、17年大会王者・宮里優作(38)=フリー=は66で6打差8位に浮上した。

 変則スイングで人気を集めている「虎さん」こと崔は71で首位と5打差6位に後退したが、V圏内にとどまり、「残り2日は最善を尽くします!」と、気合を入れた。卓球男子の張本智和の「チョレイ!」のように、ボールへ「チェッ!」と叫んで気合を注入する。ボギーをたたいた17番。7メートルのパーパットがカップ左をすり抜けると、片足を浮かせて「チェッ!」。派手なリアクションで観客を喜ばせた。

 水産加工工場で働いていた20歳の時、マグロの解体作業中に右手親指の一部を切り落とす事故に遭った。その後遺症もあり、「寒くなると右手がしびれる。疲れもたまってる」と、手袋で両手を温めて回った。「明るく元気になれる色」と好むオレンジ色のキャップが大人気で、現在は入手困難に。大会最終日翌日の3日には、11月にスポンサー契約を結んだ「二木ゴルフ」のアメ横本店で初のサイン会も決定するなど、注目度が上がっている。

 前回出場した13年大会は普通のスイング。変則打ちと愛されキャラで人気者になったが、「虎さん」と呼ばれる愛称には一時、複雑な心境を抱いていた。日本語の「トラサン」は「韓国語でも似たような発音の言葉があって、それが『変人』を意味していた」。後に日本で人気映画の主人公「寅さん」と同じ呼び方と分かり、「いい意味なんだなと、すごくうれしくなった」。前週のカシオワールドオープンに続く2週連続Vなら自身初。派手に「チェッ!」と叫ぶ大逆転劇を狙う。(小河原 俊哉)

 ◆今平も星野も「マネできない」 崔のスイングに関して、今平と星野はともに「マネできない」と舌を巻いた。今平は「体が動くと曲がっちゃうかと思うけど、それでも曲がらない。感覚が素晴らしい」。星野は「分析してみたい。感性と運動神経なんでしょうね。自分も感性を磨くために練習してみます(笑い)」と語った。テレビ解説を務めた日米通算13勝の丸山茂樹は、「ああいう個性のある人が、どんどん出てきてくれると盛り上がりますね!」と絶賛していた。

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