◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦 日本シリーズJTカップ最終日(2日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
4打差11位から出た小平智(29)=Admiral=が1イーグル、4バーディー、ボギーなしの64。圧巻の猛チャージを見せると、通算8アンダーで並んだ石川遼(27)=カシオ=、韓国の黄重坤(26)=フリー=とのプレーオフ1ホール目で下し、日本ツアー通算7勝目を挙げた。
4月の米ツアー、RBCヘリテージでは日本人5人目の米ツアー優勝を果たした。今季はその優勝資格で、夢だった米ツアーに本格参戦。しかし米国と日本とのレベル差は想像以上だった。「高い球もそうですし、飛距離も魅力なので、どうやって打ったらいいんだろうと試行錯誤していたら、スイングが勝手に変わってしまった。それを元に戻そうとしても、なかなか戻らなくなってしまった」。
米ツアーのトップ選手に負けまいと、新たな技術の習得に励んだことが裏目に出た。わずか数か月で、不振にあえぐ。6月の米ツアー、メモリアル・トーナメントからは3試合連続で予選落ち。さらに国内復帰を果たした7月の長嶋茂雄招待セガサミーカップでも103位で予選落ちを喫した。
「プロゴルファーは結果が全てなので、結果が出ずに落ち込みましたし、自分を励ましながらやっていましたけど、つらかったです」と当時の胸中を明かした。悩みに悩んだ小平を救ったのは、大溝雅教キャディーの一言だった。
「もっと適当にやれと言われて。いろいろ考えて、スイングを毎回変えたり試行錯誤をしてたんですけど、そういう言葉をもらって、やっぱり自分のゴルフをするのが一番だなという風に思いました。自分のゴルフでアメリカで優勝したので、『自分のゴルフを変えるな』、『適当にゴルフをしろ。前はそうだったろう』と言われて。その言葉で吹っ切れたというか、シンプルに考えるようになったので、そこから調子が戻ってきたと思います」と明かした。
今大会でも「シンプル イズ ベスト」を心がけた結果、最終日は圧巻の64。スランプを乗り越えての優勝に「(通算)8アンダーから10アンダーくらいの間にいれば、優勝争いはできると思っていた。8アンダーぐらいを目標にやっていました」と胸を張った。