18歳・安田祐香、アマ初Wメジャー切符「成長する時代にしたい」


 ◆女子ゴルフ アジア太平洋 女子アマ選手権最終日(28日、茨城・ザ・ロイヤルGC)

 首位から出た安田祐香(18)=大手前大1年=が7バーディー、ボギーなしの65をマーク。通算11アンダーで2位に8打差をつけ圧勝した。日本人アマとして史上初となるエビアン選手権(7月・フランス・エビアンリゾートGC)とAIG全英女子オープン(8月・ウォバーンGC)のメジャー2大会の出場権を獲得。来年のオーガスタナショナル女子アマ出場権も得たが、11月に日本のプロテスト受験を明言し、合格すれば辞退となる。

 最終18番で約80センチのパーパットを沈めると、初めて安田の表情が緩んだ。全試合に帯同する母・美香さん(52)は晴れ姿をそばで見て感涙。グリーン周りで待機していた吉田優利(19)らナショナルチーム(NT)の仲間からペットボトルの水攻撃で祝福され「本当にうれしい」と、びしょぬれではにかんだ。

 1番で約1メートル半、2番で4メートル、3番で6メートルのバーディーパットを次々と沈めた。バンカーからの寄せや正確なパターなど多彩な技術を披露し、65の通算11アンダーで圧勝。将来的に海外ツアーでの活躍を見据える18歳は、日本人アマ初のエビアン選手権&AIG全英女子オープン切符を獲得し「うれしい。結果を気にせず自分の実力を把握できるので、出てみたかった」と喜んだ。日本人女子アマのメジャー出場権獲得は13人目の快挙だ。

 連戦の疲労によって昨秋に発症した腰痛を抱えながらのラウンドが続いた。この日朝もパッティング練習中、球を拾うときに背筋を伸ばしたまましゃがんでいた。今大会中は車での移動時に腰と座席の背もたれの間にソフトボールを挟み、常に患部をほぐしている。悪天候だった2日目終了後は練習をせず、すぐに切り上げた。懸命なケアが実り「始まったらそんなに痛くなかった」とうなずいた。

 NTの活動では精神面の強化を図っている。平木貴子メンタルコーチと派遣期間ごとに約1時間、1対1で会話する。内容はゴルフの話からプライベートまで広範囲。平木コーチは「一緒に起こったことを整理してあげることで、心は安定する」という。安田も「落ち着いていたのが一番」と勝因を語った。

 平成最後の大会を優勝で締めくくり、新元号となる「令和」ではプロテストを受験予定。華やかなルックスと確かな実力を兼ね備えており、既にプロ入り後の用具契約やマネジメント契約に向け、複数の関係者による争奪戦が始まっている。「成長する時代にしたい」。今夏のメジャー舞台で結果を残し、満を持してプロになる。(宮下 京香)

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