◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーワールド・レディス サロンパスカップ 第2日(10日、茨城・茨城GC東C、6560ヤード=パー72)
アマ唯一出場の吉田優利(19)=日本ウェルネススポーツ大1年=が5バーディー、1ボギー68。大会史上初、畑岡奈紗以来のアマ2人目のメジャー優勝を狙う。日米通算24勝の宮里藍さん(33)のように将来米ツアー参戦が目標。ソフトボール出身の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は1イーグル、2バーディー、プロ転向後初のボギーなしで68。ともに通算5アンダーで首位と1打差2位で決勝ラウンドに進み、大会最年少優勝(吉田優は19歳25日、渋野は20歳178日)が見えた。
気温25・8度の夏日で、4つ伸ばし2位に浮上した吉田優は気持ちよさそうに汗をぬぐった。トップスタートで「風も弱いのでピンを狙う」と攻めの姿勢。2番から3連続バーディーを奪うと、18番パー5も3打目を10センチに寄せ、バーディーで締めた。
30日開幕の海外メジャー・全米女子オープン(サウスカロライナ州)の出場権も獲得しており「この試合が自分の腕試しになると思ったので、うまくプレーできた」と声を弾ませた。
昨夏の日本女子アマ、日本ジュニアで03年宮里藍さん以来の同一年アマ2冠を達成。昨年9月末の日本女子オープンではベストアマ獲得なら女子史上初の同一年3冠が懸かっていたが59位で逃した。悔しさをバネに練習から目の色が変わった。
「マインドにスイッチが入り“プロ”になった」とナショナルチーム(NT)の栖原弘和トレーナー。重りを持ったスクワットでは、以前は30キロも上がらなかったが、今は50キロを上げる。半年で体重は5キロ増の59キロ。飛距離は5ヤード伸びた。
11月に最終プロテストを控える2000年生まれの“ミレニアム世代”には周囲も熱視線を送る。マネジメント事務所やウェアブランドなどそれぞれ複数の社が、すでに水面下で打診しているという。
03年にアマのツアー優勝も経験した藍さんのように将来は米ツアー参戦を目指すが、「雲の上の人(藍さん)」とは対面したことがない。昨年末、サポートを受けるブリヂストンゴルフのイベントで対談する計画もあったが、NTの活動と重なり実現しなかった。
今大会の08年メジャー昇格後では元世界ランク1位リディア・コ(ニュージーランド)の13年4位がアマの最高成績。大会初のアマVも視界に入る。「優勝してプロに? そうなればいいけど、なかなか難しい。プロテストを合格できる実力を付ければ、おのずと可能性も増える」と吉田優。今週、連日のイベント出演で会場にいる藍さんの目の前で優勝してみせる。(岩原 正幸)
◆初優勝がメジャー
吉田が優勝すれば18年日本女子オープンの柳簫然(韓国)以来13人目。日本人選手では、16年10月の日本女子オープンの畑岡奈紗以来8人目となる。
◆藍のプロ転向と米女子ツアー参戦
東北高3年時の03年9月ミヤギテレビ杯ダンロップ女子で史上2人目のアマ優勝し、10月にプロ転向。日本ツアーで04年に5勝、05年は6勝と活躍(ともに賞金ランクは2位)。同年12月の米ツアー最終予選会をトップで通過、翌06年から12年間で米通算9勝と活躍した。吉田優は11月に行われる最終プロテストの一発合格を目指しているが、ツアー優勝すれば受験せずにプロに転向できる。
◆ワールドレディスサロンパスカップの最年少V
2015年大会の田仁智(韓国)の20歳273日が大会最年少記録。日本人では、14年大会の成田美寿々の21歳215日が最年少。今大会で渋野か吉田が優勝すれば、ともに大会史上最年少記録を更新する。
◆吉田 優利(よしだ・ゆうり)
▽生まれ、サイズ 2000年4月17日、千葉・市川市生まれ。19歳。157センチ、59キロ。家族は両親と弟、妹
▽ゴルフ歴 10歳から父・英隆さん(44)の影響で始める。12年、関東小学生ゴルフで優勝。16年後期からナショナルチームに選出。麗沢高出身。最高成績は17年ヨネックスレディスの9位
▽趣味 テレビドラマ観賞。俳優の坂口健太郎(27)がお気に入り
▽食生活も変化 ジャンクフード(特にポテトフライ)が好きだったが、「2、3年くらい前からやめている」
▽感謝 オーガスタ女子アマ3位の安田祐香、米参戦の山口すず夏(ともに18)と同学年。「切磋琢磨(せっさたくま)する仲間がいる。2000年の世代で良かった」