大城さつき、OLキャディーと初V目指す


大城さつき(右)とタッグを組む井覇一希キャディー

大城さつき(右)とタッグを組む井覇一希キャディー

 ◆女子プロゴルフツアー ほけんの窓口レディース 第2日(18日、福岡CC和白C=6292ヤード、パー72)

 首位と3打差の5位からスタートした大城さつき(29)=フリー=が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算7アンダーで首位に浮上した。今週は沖縄のジュニア時代の後輩で、現在は福岡でOLをしている伊覇一希さん(28)が初めてキャディーを務めており「楽しく回れた」。プロ11年目。悲願の初優勝へ絶好のチャンスを迎えた。

 韓国のイ・ミニョン(27)=Q CELLS=も大城と並び、首位。1打差の3位に金沢志奈(23)=レイクウッドコーポレーション=と韓国の申ジエ(31)=スリーボンド=が続く。さらに1打差の5位に上田桃子(32)=かんぽ生命=、勝みなみ(20)=明治安田生命=ら4人。84位と出遅れた鈴木愛(25)=セールスフォース=が大会コース新記録の64の猛チャージで3打差9位に急浮上し、大会3連覇に望みをつないだ。

 ビッグトーナメントの優勝争いのプレッシャーとは無縁の楽しそうな雰囲気が漂っていた。大城が3連続を含む6つのバーディーを奪うたびに、OLキャディーの伊覇さんの笑顔がはじけた。「バーディーを取っても、プロのキャディーさんは冷静ですけど、伊覇さんは『イェー!』って、すごく喜んでくれる。私も気分が盛り上がって楽しく回れた」。5位から首位に浮上した大城は笑顔で話した。「申し訳ないくらいに楽しんでキャディーをやらせてもらっています」と伊覇さんも満面の笑みを見せた。

 沖縄の1年後輩の伊覇さんとは今回が初コンビ。昨年12月に福岡でOLをしている伊覇さんと食事をしている時、今大会でタッグを組むことが決まった。実は、伊覇さんは2014年に1シーズン、プロキャディーを務めた経験を持つ。「その時は、私もかしこまってキャディーをしていました」と伊覇さんは話す。OLとなった今“素人キャディー”ならではの強みが大城を支えている。

 今週、休暇を取って帯同している伊覇さんに対し、大城は、ツアーで一般的な報酬条件を提案したという。獲得賞金の数%から10%が相場と言われる。今大会は賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円で3日間トーナメントとしてはツアー最高。大城が勝った場合、伊覇さんは約200万円の超ビッグボーナスを手にすることができる。「うれしいことですが、そこは、あまり、考えないようにしたいですね」と伊覇さんは恐縮した様子で話した。

 大城は2009年にプロテストに合格し、11年目のシーズンを迎えた。これまでの最高成績は2位が2回(2011年・リゾートトラストレディス、2014年・伊藤園レディス)。今年3月のPRGRレディスも最終日を首位で迎えるなど、優勝争いは幾度となく経験した。

 「いい加減、最終日の優勝争いの雰囲気には慣れています。第1日に3アンダー、第2日に4アンダーときたので、最終日は5アンダーが目標。きょうの自分を超えたい」。悲願の初優勝に向けて強い気持ちを明かす。

 大城さつき、29歳。自身にはプロ11年目で念願の初タイトルを、OLの伊覇さんには臨時ビッグボーナスを贈るために勝負の18ホールに挑む。

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