◆女子プロゴルフツアー 資生堂アネッサレディス第1日(4日、神奈川・戸塚CC=6513ヤード、パー72)
通算21勝の韓国のイ・ボミ(30)=延田グループ=が4バーディー、2ボギーの70で首位と4打差の2アンダー9位。今季2度目の1ケタ順位で発進した。16年賞金女王獲得による3年シードの最終年の今季は前半戦を終えて賞金ランク74位。シード維持には優勝か同50位以内が必要だが、前週からスイングを修正し復調気配をつかんだ。韓国のペ・ヒギョン(26)が6アンダーで首位。
10時間近い長いラウンドにも、イ・ボミは集中を切らさなかった。3番で2メートルのパーパットが残った場面で大雨により、3時間以上の中断を挟んだ。それでも「入って流れに乗れた」と、4、7番ではショットをピンそばに運びスコアを伸ばした。12、16番でも8メートルのバーディー。プレー後はギャラリーの拍手に、スマイルで応えた。
前週のアース・モンダミンカップでは初日に自己ワースト82の大たたきで予選落ち。賞金女王時の15、16年に連覇した大会でまさかの結果となったが「(オーバーパーの)73も82も一緒だから、ショックはなかった」とすぐに気持ちを切り替えた。トレーナーとスイング面を立て直し「バックスイングを意識してうまくいった。左手首の動きが悪かったのを直した」。ティーショットが安定し、4打差9位発進と手応えをつかんだ。
シード最終年の今季は獲得賞金約440万円と、来季のシード維持へ崖っ縁に立たされている。3月の開幕前に描いた「前半戦にいい成績を残して、秋は不安なく迎えたい」という青写真は崩れてしまった。だが、本人は「シードの考えはあまりない。今は成績よりスイング。緊張した中でもスイングに安定感が出るように」と強調。17年8月のCATレディースを最後に優勝から遠ざかるが、「いい時の私じゃないし、体も違う。あの時に、ってなるとしんどい。今の自分のベストを追う」と決意を語った。
16年には内面、外面の美しい選手に贈られる「資生堂ビューティーアワード」の初代女王に輝き、思い入れのある新規大会だ。単独5位以内なら、史上9人目の生涯獲得賞金8億円に到達する。「少しでもスイングの感覚を分かって、4日間キープできたら」。新しく“強いイ・ボミ”を作り上げる。(岩原 正幸)