◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 第87回日本プロ選手権最終日(7日、鹿児島・いぶすきGC=7150ヤード、パー70)
石川遼は16年8月の14勝目以降、腰痛やドライバーショットの不振で成績が伸び悩んでいた。13年から本格参戦した米ツアーでシードを喪失し、昨年から国内ツアーへ復帰。世界基準のゴルフを再び目指すため、今年4月の腰痛発症後から「体・技・心」をテーマに取り組んできた。腰痛防止のために器具を使った筋トレも解禁し、プロゴルファーとして、選手会長としての責任感が復活への原点となった。約6年前から石川の体をケアするトレーナーの北川尚史氏(36)は、今後のさらなる活躍に太鼓判を押した。
肉体改造が復活への第一歩だった。石川は昨年1月、26歳で史上最年少の選手会長に就任し、約6季ぶりに国内フル参戦も0勝に終わった。今年4月には腰痛で戦線離脱。5月の中日クラウンズで腰痛が再発し、再離脱。責任感の強い27歳は、「選手会長としてファンの皆さんに申し訳ない。サッカーならポジションがなくなっている。勝てる体にして戻って、自分が勝つことでツアーを盛り上げたい」とより一層、選手会長Vへの意欲を強くした。
まず「体」ありきの“体・技・心”をテーマに、5月以降、腰痛予防のためにバーベルなど器具を使って週3日90分ずつの筋トレで、「酸欠や筋肉痛になるまで」追い込んだ。6歳でゴルフを始め、20年以上がたち30代も目前だ。「年齢を重ねてきて、今までのままではゴルフができなくなってきた」と明かす。体重に変化はないがウェアの上からでも筋肉の隆起が目立つ。「体をつくることで、求めている技術やスイングができるようになる。今までは痛みが出て体力的にできなかった。現役でいるうちは世界基準を目指してやりたい」。米ツアー再挑戦&世界の頂点への志は持ち続けている。
北川氏は2週連続でツアーに帯同。優勝後、石川と抱き合って涙した。今大会は連日、ラウンド前後に約40分ずつ体をケア。「飛距離や出力はけがの前よりも伸びています。ケアをしながら豪雨の映像を見て、鹿児島のことを心配して、今大会で活躍することを話していました。まさか勝つなんて。体はまだまだ。もっと良くなりますし、もっとできると思いますよ」。令和の第一歩を踏み出した、石川のさらなる飛躍を予言した。