渋野日向子、9アンダー…樋口久子以来、日本人42年ぶりメジャー制覇へ堂々の上位争い


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 AIG全英女子オープン 第2日(2日、英国ミルトンキーンズ・ウォバーンGC、賞金総額450万ドル=約4億9000万円、優勝67万5000ドル=約7360万円)

 1打差2位から出た渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダーでホールアウト。1977年全米女子プロの樋口久子以来、日本人42年ぶり2人目のメジャー制覇へ好調をキープした。横峯さくら(33)=エプソン=は73で1アンダー。上田桃子(33)=かんぽ生命=は69と伸ばし、74の上原彩子(35)=モスバーガー=とともにイーブンパーで予選通過を確実とした。

 怖いもの知らずの渋野が優勝争いを続けて決勝ラウンドに進んだ。2、3番で連続バーディー。4番で3パットのボギーとしたが、5番でピン右1メートルに運び取り返した。16番は1メートルを決め、笑顔がはじけた。ホールアウト時点の9アンダーは、2位に1打差の単独首位。「ボギーを最低限に抑えられた。このスコア(69)で回れてびっくり。キャディーの青木コーチと楽しく回れている」。メジャー初出場で堂々の主役を演じた。

 今回のコースは海沿いの伝統的なリンクスでなく、オーソドックスな林間コース。日本の選手にとってやりにくさはない。6月末に出場権を獲得した際には「全英のイメージ? セントアンドリュース!」と、ゴルフの聖地とされるスコットランドにあるリンクスを即答。7月の国内ツアー中に、父・悟さんからコースマップが送信されても「まだ見てません」と笑い飛ばし、固定観念を持たずに臨んだことが奏功した。

 約1年前(7月27日)にプロテスト合格。昨季は下部ツアーで1勝もできず、最終予選会40位の資格で参戦した今季国内2勝と飛躍。世界ランクは日本勢4番手の46位で「頑張って上位に行きたい」と来夏の東京五輪代表2枠入りを狙う。

 渡英前には「食事が心配。痩せて帰ってくるかも」と苦笑いしていたが、帯同する父が握るおにぎりがパワーになっている。「初メジャー、初海外試合でこの位置はできすぎ。とにかく攻めていきたい」。日本人42年ぶりのメジャー制覇を視界に捉えた。

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