女子プロゴルフツアーのNEC軽井沢72は16日から3日間、長野・軽井沢72G北C(6705ヤード、パー72)で行われる。AIG全英女子オープンで日本女子2人目のメジャー優勝を達成した渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は15日、プロアマ戦で調整。「軽井沢に別荘を買いたい」とリゾート地で“シブコ語録”が飛び出した。疲労していた前週から状態も回復。初の軽井沢でファンを沸かせる。
渋野は「憧れの地」軽井沢で最終調整を完了した。時折雨が降る中、気温22度と過ごしやすい避暑地で行われたプロアマ戦。極度の疲労で38度の高熱を発症した前週(13位)の調子を「(100点中)20か30」といい、「今週は50」と回復をアピールした。「ゴルフ(の状態)はキレキレ」。まだ喉を痛めており、万全ではないものの、「支障はないです」と強調した。
会見では“シブコ語録”がさく裂した。「『軽井沢』の3文字に学生時代から憧れていた。試合しないで(宿舎に)帰りたいくらい(笑い)。涼しくて最高。ここにいつか別荘を建ててみたいと思っている」と目を輝かせた。元々は親戚が他の場所に別荘を所有していたことがきっかけだという。
国内で初優勝(5月)後も、高価な買い物は財布だけと明かす庶民派は「最近は物欲がない。何買おうかなと考えているのが、別荘って(笑い)。高すぎる~」と自身に“突っ込み”を入れた。全英で優勝賞金約7200万円を獲得しているが、「自分のを買うより、周りの人に恩返しをしたい。それをしてからかな」とも話した。
プロアマ戦後には、主催のNECが設置した顔認証技術による「笑顔パワーゲーム」に参加した。笑顔を認識して100点までの数値で表すもので、満点を出す選手や関係者もいる中、渋野は「97・2」で24人中12位。「ぜひとも“スマイル・シンデレラ”の称号をやめていただきたい」と笑いながら“お願い”した。
国内では前週まで、21ラウンド(R)連続でイーブンパー以上のRを継続中。今大会3日間も続けば、24Rで歴代2位に並ぶ。「いつかは(オーバーパーを)打つ。記録を抜いてからにしたいけど、今週打つかもしれない。プレッシャーをかけずにやりたい」とうなずいた。別荘購入の夢プランから、まさかのシンデレラの返上願いまで―。天真らんまんな20歳が、涼しい軽井沢を熱くする。(岩原 正幸)
◆軽井沢の別荘事情 価格帯は1軒あたり2000万円から億を超えるものまで様々。1886年(明治19年)にカナダの宣教師が、自然と気候の素晴らしさを伝えたことから避暑地として広まったとされる。約10年後には、貸別荘やホテル業が始まった。テニス、サイクリング、ゴルフなどスポーツ環境も整っており、人気が高い。