石川遼、2戦連続Vで東京五輪近づく…渋野日向子の注目ぶり「ゴルフ界にとってはすごいこと」


17番ティーグラウンドでキャディーとキャッチボールする石川(カメラ・宮崎 亮太)

17番ティーグラウンドでキャディーとキャッチボールする石川(カメラ・宮崎 亮太)

 国内男子プロゴルフツアーの長嶋茂雄招待セガサミーカップは22日から4日間、北海道・ザ・ノースカントリーGC(7178ヤード、パー72)で行われる。前戦のメジャー、日本プロ選手権で通算15勝目を挙げた選手会長の石川遼(27)=カシオ=は21日、プロアマ戦で最終調整。AIG全英女子オープンで日本女子2人目のメジャー制覇を遂げた渋野日向子(20)=RSK山陽放送=に刺激を受けつつ、7週ぶりに再開されるツアーで自身初の2戦連続Vを狙う。

 後半戦の初戦を前に、石川が熱い言葉を並べた。まずは「2週連続優勝を目指して頑張りたい。あ、2戦連続優勝か?」とジョークで報道陣を笑わせた。7月の日本プロで3年ぶりの復活V。そこから7週間も試合のない状況を経ての次戦に「ここからリセットという気持ち。トレーニングをメインに、今までは考えられないくらい筋肉をつけることを重点的にやってきました」と胸を張った。

 休みの合間、渋野のメジャー制覇をテレビで見た。その後、国内女子ツアーを席巻するフィーバーに「これだけ短期間で、1人の選手が連れて歩くギャラリーが増えることはないんじゃないかなと思います。ゴルフ界にとってはすごいことだと思いますし、素晴らしいこと」とうなずいた。

 渋野は攻めのゴルフと笑顔で世界を魅了し“スマイル・シンデレラ”の異名をつけられた。12年前の07年に高校生アマチュアで男子ツアー初出場優勝を果たし“ハニカミ王子”フィーバーを巻き起こした石川は「僕も笑っているところがフューチャーされた、という共通点はあるかもしれない。それでも、食べている物までは毎日注目されなかったので、少し悔しいなと思いますね」とジョーク交じりに振り返った。「15歳と20歳は全然違います。15歳の僕は周りからどう見られても何を聞かれても、カメラも全く気にならなかった。20歳は大人。僕の方が楽だったと思います」と気遣った。

 渋野と同じく、当面の目標は東京五輪の日本代表入りだ。日本男子7番手の世界ランク178位で、後半戦の目標は「大きな試合も多いので、自分としては世界ランク(を上げること)」と即答した。「日本プロで優勝したのも五輪の2枠目へのステップ。もう2、3ステップがないと届かないので、まずは1勝」。自身初の2戦連続優勝で、五輪切符へ近づく。(榎本 友一)

 ◆過去の遼フィーバー 石川は07年5月のマンシングウェアKSBカップで世界最年少(当時)優勝。次戦となった6月の関東アマは4日間で史上最多(当時)の1万1900人が来場した。75社200人の報道陣が詰めかけ、大手広告代理店の試算では宣伝効果が2億円以上。プロデビュー戦となった08年4月の東建ホームメイトカップでは顔写真入りバッジが500個完売。最年少賞金王になった09年12月には、日立3ツアーズ選手権のコース付近で大渋滞が起こり、宮本勝昌が遅刻した。

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