フィーバーの“先輩”宮里藍さん、渋野ハートの強さを絶賛…大逆転Vに「驚きない」


ジュニアゴルファーに語りかける宮里藍さん

ジュニアゴルファーに語りかける宮里藍さん

 ◆女子プロゴルフツアー デサント東海クラシック 最終日(22日、愛知・新南愛知CC美浜C=6437ヤード、パー72)

 2017年9月に現役を引退した元世界ランク1位の宮里藍さん(34)が22日、渋野の逆転優勝を絶賛した。この日は宮城・松島チサンCC仙台Cで行われた自身が手掛けるジュニア大会「宮里藍インビテーショナル」に登場。渋野の全英優勝(8月)後では初の公の場で、「すごくいい選手なので結果に驚きはない」とフィーバーに流されない気持ちの強さをたたえ、賞金女王争いにも「けがをしないで乗り切ってほしい」とエールを送った。

 “レジェンド”藍さんは、8打差20位から出た渋野の大逆転の一報を、報道陣から知らされた。「そうなんですね、知らなかった。すごいですね」と興奮気味に反応。本格参戦1年目での1億円到達は2004年の自身以来の快挙で「私のことはどうでもいいんですけど(笑い)、すごくいい選手なので結果に対して驚きはない。これから先が長い。けがに気をつけて次の勝ち星を挙げてほしい」と祝福した。

 全英優勝後、渋野を取り巻く環境は一変した。藍さんも東北高3年時のアマチュア時代、03年にツアー優勝からプロ転向し、ゴルフ界の枠を超えて世間から注目される存在となった。フィーバーの渦中にいた経験者は渋野が直面する重圧などを踏まえた上で、「調子を落とさず、ここまで来られていることが結果だと思う。(英国から)すぐに帰ってきて、いろんな環境が変わった。そこに気を取られていたらこういう結果にはならないので、今ある彼女の強さ」と評価した。

 「賞金女王も見える? そうですよね」と声のトーンを上げ、「あと10試合、まだ全然分からない。体力的にも後半はきついので、とにかくけがはしないように。自分のことをよく分かっている選手。シーズンを乗り切ってほしい」とエールを送った。渋野の全英の優勝スピーチでは、藍さんの夫で英語が堪能な座親(ざおや)匠さんが尽力した縁もある。藍さんは女子ゴルフ界を背負う後輩を、優しく見守っている。(岩原 正幸)

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