星野陸也、念願の外車ゲットと最年少Vへ単独首位発進


17番、夕焼けに染まる空の下、第2打地点に向かう星野(左)。初日5アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

17番、夕焼けに染まる空の下、第2打地点に向かう星野(左)。初日5アンダーで首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(5日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 出場選手の中で最年少の星野陸也(23)=フリー=が7バーディー、2ボギーの65で回り、5アンダーの単独首位発進を決めた。部門別データの総合1位と、最年少優勝のダブル取りを目指す。賞金王を争う、賞金ランキング1位の今平周吾(27)=フリー=は、3アンダーで首位と2打差の4位、同2位のショーン・ノリス(37)=JOYX=も1打差の2位と好位置につけた。

 星野が念願の外車ゲットと最年少優勝に向けて、最高のスタートを切った。出だしの1番で2メートルを沈めると、続く2番では7メートルのロングパットを決めて連続バーディー発進。「やっぱり傾斜が強かった」と難関の18番はボギーを叩いたものの、7バーディーと量産し笑顔でホールアウトした。体調を崩し、ここ数試合は状態が万全でないことが多かっただけに「今日はショットがすごく良かった。予想より良いスコアでした。久々にいいゴルフをした感じ」と満足そうに振り返った。

 平均ストロークなど9部門の順位をポイント化して競う「メルセデス・ベンツ トータルポイントランキング」で、現在星野は首位の今平と1ポイント差の2位につけている。1位になったご褒美には、賞金と1台1100万円以上するベンツSクラスが贈られる。星野は高校時代に免許を取得しており「去年ぐらいから車のことも調べるようになりました」と興味津々だ。

 現在は実家にある国産車で試合会場などにも移動しているため「20代後半で外車に乗りたいと思っていたけど、これでもらえたらこれに乗りたいですね。気をつけながら運転します」と夢の“前倒し”にも目を輝かせた。

 勝てば81年大会の羽川豊(23歳363日)を抜き、23歳210日で大会史上最年少Vに輝く。身長186センチの若手のホープは「まずは優勝を目指して、ポイントもうまくついてきてくれたらいいなと思います」とダブルでの栄冠獲得へ表情を引き締めた。

 今大会では10年の藤田寛之以降9年連続で、優勝した選手は全て初日をアンダーで回っている。初出場した昨年は8位に終わっただけに「メジャーで勝てればかっこいい」とリベンジへ気合十分。憧れのベンツの運転席に向かって、男子ツアー屈指の“癒やし系”がこのままトップを守り抜く。(筒井 琴美)

 ◆星野 陸也(ほしの・りくや)1996年5月12日、茨城・友部町(現・笠間市)生まれ。23歳。6歳からゴルフを始める。2015年に水城高から日大へ進学も、2年で中退し16年にプロ転向。17年からツアーに本格参戦して賞金ランク31位でシード権獲得。今季のドライバー平均飛距離は301.01ヤードでランク10位。通算2勝。愛称は小学生時代から親交がある石川遼が名付けた「リッキー」。186センチ、76キロ。家族は両親と姉、妹。

 ◆仲良しコンビで連勝

 今大会、星野には強力な相棒がついている。今年優勝を飾ったダンロップ・スリクソン福島オープンで、キャディーを務めた小沼泰成さん(23)だ。茨城・水城高で3年間同じクラスで、元野球部ながら現在はプロのキャディーを目指す友人に、大会の約1か月半前に「最終戦頼むよ」と“再タッグ”を依頼。小沼さんも「気を使わないように、時々話をしながらリラックスしてもらおうと思いました」と懸命にサポートした。仲良しコンビで連勝を狙う。

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