渋野日向子、全英優勝し「1週間で人生が変わった」としぶこスマイル…報知プロスポーツ大賞表彰式


笑顔を見せる渋野日向子(カメラ・生澤 英里香)

笑顔を見せる渋野日向子(カメラ・生澤 英里香)

 報知新聞社制定「2019報知プロスポーツ大賞」の表彰式が23日、都内で行われた。女子ゴルフのAIG全英女子オープンで優勝し、日本人42年ぶりの海外メジャー制覇を果たした渋野日向子(21)=RSK山陽放送=が大賞を初受賞。フェミニンなブラウスにボルドー色のパンツを合わせた姿で登場し、故・黒澤明監督がデザインした報知新聞社杯を手渡されると、しっとりとしたしぶこスマイルを浮かべた。

 シンデレラストーリーのはじまりは3月だった。昨年末の予選会40位の資格で、ツアー第2戦から出場した。4月の熊本の試合では、初日に81を叩きながら、2日目に66と爆発し、史上2人目の最下位からの予選通過を果たした。5月のワールドレディスサロンパスカップでは20歳178日の大会最年少で優勝し、ツアー初Vを国内メジャーで成し遂げた。その3か月後が、あの全英女子オープン。最終日首位発進から、一時は3位と順位を下げながらも、後半に5バーディーを量産し68の1打差で逃げ切った。77年全米女子プロの樋口以来、2人目の日本人メジャー制覇。ラウンド中の笑顔と駄菓子を食べるキャラクターが国内外のファンとメディアを魅了。しぶこフィーバーを巻き起こした。「1週間で人生が変わった。帰ってきたら芸能人でした(笑い)。『テレビで見るヤツだな』って。『空港でスポーツ選手が凱旋する時に見るやつだ』って。自分、なんでここにいるんだ? って。フラッシュがすごかったです」。「たくさん取材もしていただいて、だいぶこういう場でもペラペラ話せるようになりました」とほほえんだ。

 女子ゴルフからは樋口久子、岡本綾子、近年は宮里藍(04、09年)らがプロスポーツ大賞を受賞してきた。オフでもイベント続きで多忙だが、24日は親知らずを抜くという。その1週間後には紅白歌合戦で審査員を務める予定。「たぶんメッチャ腫れると思うので、年末の大仕事に間に合うのか心配です」と笑わせた。

 来年の目標としては「東京五輪」と力強く記した。「3人が世界ランク15位以内に入ると3人出られる。3人で金メダルを取るのが目標」と渋野。来夏、スマイリングシンデレラは再び日本に笑顔にもたらしてくれるはずだ。

 ◆渋野 日向子(しぶの・ひなこ)1998年11月15日、岡山市生まれ。21歳。8歳でゴルフを始め、岡山・作陽高卒業後、昨年7月に2度目のプロテストで合格。今季からツアー本格参戦。5月に初優勝を飾り国内4勝で賞金ランク2位。米ツアー1勝。最新世界ランク12位(日本勢2番手)で五輪出場圏内。憧れはソフトボール女子日本代表の上野由岐子。165センチ、62キロ。家族は両親と姉、妹。

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