女子プロゴルフで昨年の海外メジャー、AIG全英女子オープンを制した渋野日向子(21)が14日、都内で記者会見を行い、今季から飲料メーカー大手のサントリー(本社・大阪市北区)と所属契約を結んだことが発表された。
会見には、日米通算24勝で2017年限りで引退した同社所属の先輩、宮里藍さん(34)も登場した。渋野が全英女子優勝後の昨季国内女子ツアーではギャラリー数が激増した。老若男女幅広い層から人気と好感度は高く、“しぶこブーム”を巻き起こした。今後は、女子ゴルフブームを生んだ藍さんの後継者としての道を歩む。
同社は、1990年から国内女子ツアーでサントリーレディス(兵庫・六甲国際GC)を毎年6月に主催。藍さんとはプロ1年目の03年から所属契約を結び、現役引退後の18年からは大会名に「宮里藍」の名前が冠された。今年6月の同大会に初出場した渋野は45位だった。それでもジュニア時代に、同大会のスナッグ(簡易版)ゴルフ大会で優勝していた縁もある。
今季は8月の東京五輪に加え、メジャーなど積極的な海外参戦を予定し、グローバルな活躍を目指す。ワールドワイドにビジネスを展開するサントリーのサポートを得て、“シンデレラ・ストーリー”の第2章へ突入する。2月20日開幕の米ツアー、ホンダLPGA(タイ・サイアムCC)が「サントリー・渋野」としての初戦となる。
◆所属契約 新聞や雑誌記事などに常に露出することから、プロゴルファーが結ぶ契約の中で用具使用と並び、高額とされている。自社CMへの優先出演権やオフのイベントへの出席など、年間数日の拘束日が設定されている。ただ、そうした“縛り”を嫌う選手も多く、男子は宮里優作、池田勇太、今平周吾ら所属契約を結ばないトッププロも多い。
渋野は同社を通じて以下のコメントを発表した。
「この度、日本を代表するグローバル企業であるサントリーさんに所属契約という形でサポートして頂くことになり、大変光栄に思います。サントリーさんは、30年以上にわたりゴルフトーナメントを開催し、ジュニアゴルファーの育成にも大変力を入れられていて、とても共感しております。私もゴルフを通じて、たくさんの子ども達に夢と希望を届けられる選手になれるように、これからも努力を続けていきます」
◆渋野 日向子(しぶの・ひなこ)1998年11月15日、岡山市生まれ。21歳。8歳でゴルフを始め、岡山・作陽高卒業後、18年7月、2度目のプロテスト受験で合格。19年からツアー本格参戦。5月に国内メジャーのワールドレディスサロンパスカップで初優勝を飾り、国内4勝で賞金ランク2位。憧れはソフトボール女子日本代表の上野由岐子。165センチ、62キロ。家族は両親と姉、妹。