新型コロナウイルスの影響で開幕戦が中止となり無念の渋野
日本女子プロゴルフ協会（ＪＬＰＧＡ）と大会主催者は２８日、国内女子ツアーの開幕戦ダイキンオーキッドレディス（３月５～８日、沖縄）の中止を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大のためで、１９日に無観客試合で行うことを決定したが、政府のイベント自粛要請の発表などを踏まえ、苦渋の決断を下した。渋野日向子（２１）＝サントリー＝は「非常に残念」とコメントし、再開に向けた調整を誓った。
女子ゴルフ開幕戦が無観客試合から一転して、開催中止となった。１１年３月の東日本大震災の影響で３試合と、１６年４月の熊本地震直後のＫＫＴ杯バンテリンレディス（熊本）が中止になったが、開幕戦は８８年のツアー制施行後初めて。ＪＬＰＧＡと主催者は声明で「政府の国家的な課題としてコロナウイルス感染防止に取り組む強い姿勢表明を重く受け止め、最大限の協力をする観点から慎重に議論を重ねた」と理由を説明した。
２４日に厚労省から「１～２週間が拡大か収束かの瀬戸際」との見解が出され、２６日には政府から「大規模なスポーツ、文化イベントの今後２週間の中止か延期、または規模縮小」の要請が発表された。さらに２７日に「３月２日からの小中高校の休校要請」がなされ、大会の中止に至った。ＪＬＰＧＡの小林浩美会長（５７）は「選手としても弊協会としても、このような大会中止は断腸の思い」とコメントした。
今季初戦を予定していた世界ランク１１位の渋野にとっては、２月に出場予定だったタイ、シンガポールでの米ツアーに続き３戦連続の中止決定。マネジメント会社を通じて「非常に残念ですが、トーナメントの再開に備えて、しっかりと調整を続けていきたい。まずは一刻も早く事態が収束することを願っております」とコメントした。
２戦目の明治安田生命レディース（３月１３日開幕）以降も、試合開催の可否を協議中という。無観客試合などを含めて検討を続けているが、相次いで中止が発表される事態も想定され、不透明な状況が続く。６月２９日の東京五輪代表決定まで、自力出場の同１５位以内の死守を狙う渋野や、現在１５位の鈴木愛（２５）＝セールスフォース＝にとっても、再開がいつになるか分からない中、調整を続けるしかない状況で、コロナ余波は先が見えない。