男子ゴルフ、ツアー制施行後初の国内開幕戦中止 青木功会長、新型コロナ感染拡大受け「苦渋の決断」


国内開幕戦の中止が決まり、コメントを発表した青木JGTO会長

国内開幕戦の中止が決まり、コメントを発表した青木JGTO会長

 日本男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)と大会主催者は26日、新型コロナウイルスの感染拡大により、国内開幕戦の東建ホームメイトカップ(4月16~19日、三重・東建多度CC名古屋)の中止を発表した。大会中止は18年9月のANAオープン以来で、国内開幕戦としては1973年のツアー制施行後初。今後2試合も開催が難しくなっており、5月下旬開幕となる可能性が強まってきた。世界の男女主要プロゴルフツアーが、開催中止に追い込まれる非常事態となっている。

 新型コロナ感染拡大の影響は、国内男子ツアーにも波及した。東建ホームメイトカップの主催者などは「更なる感染防止努力の必要性が唱えられている現状や、愛知県における感染状況の発表を重く受け止め、開催を中止することにいたしました」と中止の理由を説明した。18年9月、北海道胆振(いぶり)東部地震の影響でANAオープンが大会中止になって以来で、国内開幕戦では73年のツアー制施行後初めて。ツアー通算51勝の青木功・JGTO会長(77)は「プロになって56年を迎える私にも、経験のない事態でございます。大会に関わるすべての方々の安全を第一に、協議を重ねて苦渋の決断に至りました」とのコメントを発表した。

 国内女子は今月初めからツアー史上最多となる5戦連続中止となり、開幕のめどが立っていない。男子も先行きはかなり不透明だ。ツアー第2戦の中日クラウンズ(4月30日開幕)は既に開催可否を協議中。大会会場のある愛知県内では多くの感染者が出ていることもあり、近日中にも中止か延期が発表される見込み。続く第3戦のアジアパシフィック・ダイヤモンドカップ(5月7日開幕・千葉)は例年、アジアンツアーから60選手が出場する共同主管大会だ。しかし、入国制限のため、大会成立困難の可能性も浮上。国内男子ツアーが見られるのは早くても5月下旬が濃厚だ。

 今季、選手会長に就任した時松隆光(26)=筑紫ケ丘GC=は早期終息を願い、「皆様と笑顔でお会いできる日を楽しみに、最高のパフォーマンスをお見せできるよう、努めてまいります」とコメントした。

不安なく楽しめる時遼戻ってきてほしい ツアー通算17勝で東京五輪代表入りを目指す石川遼(28)=カシオ=は、国内でトレーニングと打ち込み練習を中心に調整中。「できれば一日も早く、皆さんに不安なく楽しんでいただける時間が戻ってきてほしい」と、新型コロナの早期終息を切に願っている。

 ◆男子ゴルフの東京五輪代表選考 今夏開催の場合は、6月22日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を獲得する予定だった。〈1〉15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人が出場。日本勢は世界ランク22位の松山英樹(28)、同41位の今平周吾(27)が代表圏。同97位の石川遼(28)、同117位の星野陸也(23)が追う展開となっている。24日の東京五輪の1年延期決定を受けて今後、五輪競技を管轄する国際ゴルフ連盟が、代表選考方法の変更の有無などについて発表するとみられている。

最新のカテゴリー記事