全英オープン中止か、米専門誌が報道…全英女子オープンにも暗雲


松山英樹 

松山英樹 

 男子ゴルフのメジャー、全英オープン(7月16日開幕)が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になる見込みであると1日、米ゴルフダイジェスト誌(電子版)が報じた。2日にも発表されるという。1860年創設の世界最古のメジャーの中止は第2次世界大戦中だった1945年以来で、今季の男女メジャーで初となる。渋野日向子(21)=サントリー=が日本人初のメジャー連覇を狙う、AIG全英女子オープン(8月20日開幕・ロイヤルトルーンGC)にも暗雲が垂れ込めてきた。

 ゴルフの世界最古を誇るメジャーが、新型コロナの影響で75年ぶりに中止に追い込まれる可能性が浮上した。大会主催のR&A関係者は3月下旬、「全英も全英女子もスケジュール通りの開催を予定している」と表明した。だがその後、欧州各国で急速に感染が拡大。米ゴルフダイジェスト誌の電子版によると、テニスのウィンブルドン選手権が1日に中止を発表したのを受け、R&Aは中止を発表する見込みだという。

 今年の全英は、英国南東部サンドイッチのロイヤルセントジョージズGCで2011年以来15度目の開催予定だった。関係者によると、延期でなく中止とするのは、R&Aがパンデミック(世界的大流行)に対応する保険に加入しているため。ゴルフダイジェスト誌によれば21年大会は予定通り、聖地セントアンドリュースで開催する方針という。同誌の報道を受けて、主催のR&Aは2日、「延期を含めて選択肢を検討しているが、多くの外的要因もあるため決定までに時間を要している」との声明を出した。

 英国では、チャールズ皇太子(71)やボリス・ジョンソン首相(55)ら約3万人以上が感染。3月下旬に「外出禁止令」が出され、死者は2300人にも上っている。終息の見通しは立っていない。この状況が続けば同じくR&A主催で8月に英国で開催され、渋野が連覇に挑む女子のメジャー、全英女子オープンへの影響も避けられない。

 今季男子のメジャーは、マスターズと全米プロ選手権の延期が既に決まり、6月の全米オープンも延期が有力となっている。20年の全英では、日本勢は松山英樹(LEXUS)、今平周吾(フリー)、木下稜介(ハートランド)、アマチュアの金谷拓実(東北福祉大4年)の4人が出場権を獲得していた。

 ◆全英オープン 男子ゴルフの4大メジャーの一つ。英国のゴルフ競技団体R&A主催で、第1回大会が1860年10月に開催された世界最古のメジャー大会。正式名称は「The Open Championship」。今年で第149回を迎え、日本人最高成績は1982年大会の倉本昌弘の4位。ゴルフの聖地セントアンドリュースなど海沿いのリンクスコースが多く、強い海風やブッシュ、硬いフェアウェーに底の深いポットバンカーなどが特徴とされている。

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