今季メジャー初戦のワールドレディスサロンパスカップ(5月7~10日、茨城・茨城GC東C、報知新聞社後援)を主催する日本女子プロゴルフ協会と日本テレビ放送網株式会社は9日、新型コロナウイルスの感染拡大と政府の緊急事態宣言を受け、大会中止を発表した。メジャーの開催中止は国内男女でツアー制施行後初めて。昨年大会でツアー初優勝を飾っている渋野日向子(21)=サントリー=は「今は自分にできることを」と、コロナ禍の早期収束を願った。
1988年のツアー制度施行後、国内女子のメジャーで初の開催中止が決まった。73年からツアー制を施行する国内男子のメジャーでも例のない苦渋の決断となった。大会事務局はギャラリー、選手、ボランティアなどの安全確保を最優先し、慎重に検討を重ねてきたが、感染拡大および政府の「緊急事態宣言」を重く受け止め、判断したという。
昨年大会覇者の渋野はこの日、中止決定を受け、マネジメント会社を通じ「サロンパスカップは、昨年念願の初優勝を飾ることができた思い出深い大会です。今は自分にできることをしっかりと行い、新型コロナウイルスの影響が早く収束することを願っております」とコメントした。昨年大会は通算12アンダーで初優勝。令和時代最初のメジャー女王となり“シンデレラ・ストーリー”の大きな足がかりとしていた。
2008年からメジャーに昇格した大会は、大型連休前後での開催で例年、ツアー屈指の観客動員を誇る。昨年8月の海外メジャー、AIG全英女子オープンを制した渋野が連覇を狙うとあって、今年は大会最多(17年の4日間4万1484人)や、05年日本女子オープンのツアー史上最多(4日間4万8677人)を超える観客を動員するかどうかにも注目が集まっていた。
3月以降、ツアー最多の10戦連続中止となった。次戦は、ほけんの窓口レディース(5月15日開幕・福岡)だが依然、不透明な状況が続く。「試合が始まった時には、皆さまに元気をお届けできるプレーできるように、引き続き調整を続けていきます」と渋野。メジャー女王は、笑顔の花を咲かせる時を待っている。
◆女子の国内メジャー大会 ワールドレディスサロンパスカップ、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯、日本女子オープン、LPGAツアー選手権リコー杯の4大会。サロンパス―は2008年にメジャーに昇格。一般的に通常のツアー大会より賞金が高額で、格式が高いとされる。優勝者には3年シードが与えられる。キャリアで4大メジャーを制するグランドスラムの達成者はこれまでいない。