【2000年7月23日】タイガー・ウッズが史上最年少でグランドスラム達成


ティーショットを放つタイガー・ウッズ

ティーショットを放つタイガー・ウッズ

 米男子ゴルフのタイガー・ウッズ(米国)が聖地・セントアンドリュースでのメジャー、全英オープンで史上5人目、最年少24歳206日でのグランドスラムを達成し、歴史に名を刻んだ。1996年のプロ転向後、3年11か月での達成は史上最速。90年大会でニック・ファルド(英国)が記録した同コースでの大会記録、通算18アンダーを上回る19アンダーで制した。

 ウッズは初日5バーディー、ボギーなしの67で回り、5アンダー2位スタート。第2日は18番で女性のストリーキングに見舞われるハプニングがあったが、6バーディー、ボギーなし。この日のベストスコアに並ぶ66をマークの通算11アンダーで単独首位に浮上した。第3日は2番で今大会初のボギーをたたいたが、67をマークし、16アンダーで首位を守った。いつもと同じ赤いウエアで臨んだ最終日は4バーディー、1ボギーの69で回り、20世紀最後の全英で史上5人目の4冠を成し遂げた。

 19年のメジャー、マスターズではツアー歴代2位のメジャー通算15勝目でツアー通算81勝目をつかんだ。2年連続22度目出場で史上最長ブランクVの05年大会以来となる5勝目を挙げた。近年は腰痛に悩まされ、4度の手術を経験。世界ランクはかつての1位から1199位まで転落した。私生活でも09年に不倫スキャンダルがあってどん底に落ち込んだ。度重なる苦難を乗り越えての復活優勝には世界中のゴルフファンが歓喜した。

 同年10月には日本初の米ツアー大会の開催となったZOZOチャンピオンシップ(千葉・習志野CC)に出場した。第3日には2万2678人の観客数を記録するなど日本の多くのファンの目の前で通算19アンダーでの完全優勝。サム・スニード(米国)に並ぶツアー最多82勝目で初代大会王者に輝いた。

 今季は2月のジェネシス招待に出場したが、腰の悪化などで首位と22打差の11オーバーと大崩れだった。その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアーは中断。6月に再開したが、ウッズは今月のメモリアル・トーナメントで約5か月ぶりに復帰した。大会前に飛距離増で注目を集める26歳のブライソン・デシャンボー(米国)と練習で一緒に回り「飛距離を伸ばし、真っすぐに飛ばすのはすごい」と若手の成長に目を細めた。復帰戦は通算6オーバーで40位に終わった。それでも久々の試合で4日間を戦い抜き「スイングはいい感じになっている」と手応えを得た。グランドスラムから20年たった現在もウッズは主役の座を若手に譲る気はない。

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