石川遼、ウッズ&マキロイ流の新兵器・5ウッド投入 全米OPの深いラフ攻略へ…3日男子ツアー国内開幕戦


新しい5番ウッドを手に、笑顔を見せる石川遼(代表撮影)

新しい5番ウッドを手に、笑顔を見せる石川遼(代表撮影)

 男子プロゴルフツアーのフジサンケイクラシックは3日から4日間、山梨・富士桜CC(7566ヤード、パー71)で行われる。1月以来の今季ツアー2戦目で、国内初戦。石川遼(28)=カシオ=は2日、10番から9ホールの練習ラウンド(R)で最終調整した。リモートでの公式会見に出席し、メジャーの全米オープン(17日開幕・ウィングフットGC)を見据え、約6年ぶりに新兵器5ウッドを投入すると明言。新型コロナウイルス禍で12年ぶりの賞金王に返り咲き、ファンや日本を元気づける。

 “頭脳的なゴルフ”で、変則シーズンでも優勝を積み重ねる。石川は新型コロナの影響でツアー制施行後では最遅の国内開幕戦を前に思いを語った。「8か月ぶりのツアーで、国内では初のツアー。選手一堂、感謝の気持ちでいっぱいだと思います。1ホール、1ホール立てたプランに対して目の前の1打、1打ベストを尽くして頑張るだけです」

 8月中旬に全米プロ(予選落ち)から帰国後、2週間の自主隔離。ショット練習を再開したのは「先週の頭」で、初めての体験に「筋トレはしていましたが、ショット練習ができないのが結構きつい」と明かした。とはいえ、並行して全米オープンへの新兵器の準備も着々と進めていた。契約するキャロウェイ社の5ウッド、「マーベリック・サブゼロ・ツアーバージョン(ロフト19度)」。今大会で2アイアンに代えて初投入する。例年、ラフが深く「世界一難しいメジャー」と呼ばれる全米オープンを想定。「全米プロで、タイガーもマキロイのバッグにも5ウッドが入っていた」と世界トップの最新用具もチェックしていた。

 「ものすごい深いラフからの脱出と、距離を稼ぎたくて先週からテストしていた。アイアンよりも球が上がりやすくて全然飛ぶ」と説明。1日の練習Rでは、8番の右側の洋芝の深いラフから試打して「200ヤードくらい飛ばせた。いい参考になりました」と手応えを得た。

 今大会直後、PCR検査を受けて渡米予定。3月から師事する、田中剛コーチ(40)が全米プロに引き続き今大会もバッグを担ぐ。“新相棒”が用いる統計学的なデータを生かして、多彩なクラブでのコースマネジメントを思い描く。20―21年統合の異例のロングシーズンを前に「世界ランクは大事なものだと思っていますし、日本ツアーで勝っていくことが世界ランクを上げることにもなる」と力を込めた。09、10年と連覇した好相性大会で、09年以来、12年ぶり2度目の賞金王奪還への物語が幕を開ける。(榎本 友一)

 ◆5ウッド フェアウェーウッドの1つ。別名「クリーク」と呼ばれ、主にティーショットや第2打などで用いられる。アイアンと比べて、ヘッドの地面と接する底面部分の「ソール」が大きく、ダフりに強い。アイアンよりも重心がフェース面よりも遠い「深重心」のため、球が上がりやすく曲がりにくいのが特徴。「深いラフから打つと、ソールがラフの芝で滑って球が上がりやすくて飛ぶ」と話す石川は14年までツアーで使用し、その後は2アイアンに入れ替えていた。

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