【今田竜二のPoint】完璧主義の松山英樹、もう少し自分に優しく


 ◆米男子プロゴルフツアー 第120回全米オープン最終日(20日、米ニューヨーク州ウィングドフットGC)

 5打差4位から日本男子初のメジャー制覇を目指した松山英樹(28)=LEXUS=は、1番でダブルボギーをたたくなどショットが不調で1バーディー、7ボギー、1ダブルボギーの78と崩れ、通算8オーバーの17位に終わった。

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 松山選手は攻めなければいけない気持ちが強く、プレーが空回りした。力が入り、序盤はティーショットが左に飛んでいた。1番のダボが全てだった。第1打で左は避けたいピン位置だったが、そこでグリーンを狙えなくなった。5番までに差を詰められれば、と見ていたが、いきなり2打離され、4ホールで5つ落とした。表情には出さないが、相当つらかったと思う。優勝がなくなった時点で、気が抜けてしまうのは仕方ない面もあった。

 ただ、彼のショットは十分世界に通用すると感じた。3日目まで上位で争い、自信を持っていい。まぐれではなく、いつ勝ってもおかしくない実力を築いている。あとはパッティングと気持ちの持ち方。完璧主義で、全てフェアウェーに置かないと、全て(パットを)入れないと…という気持ちが強いと思う。もう少し自分に優しくできるともっと楽にできる。一度疲れを取り、マスターズに合わせてほしい。今からゴルファーとして最もいい時期の29~32歳に差しかかる。この数年のメジャーが勝負になる。

 優勝したデシャンボーは力とコントロール、攻守のメリハリが素晴らしかった。ドライバーショットをいかに飛ばして短いクラブで打つかという作戦勝ちだった。一時期のタイガー・ウッズを思い出させるプレーだった。(08年米ツアー1勝、プロゴルファー)

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