◆女子プロゴルフツアー 富士通レディース第2日(17日、千葉・東急セブンハンドレッドC西C)
首位と4打差の25位で出た浅井咲希(22)=小杉CC=が6バーディー、1ボギーで、この日ベストスコアの67をマークし、通算5アンダーで単独首位に立った。悪天候の中、課題としていたパターでスコアを作り、昨年8月以来となるツアー通算2勝目に王手をかけた。前週のプレーオフで敗れた雪辱を胸に、1998年度生まれ「黄金世代」6人目の複数回優勝を狙う。
強い雨が降り、気温12・6度まで冷え込む中、浅井が果敢にスコアを伸ばした。2番で4メートル、4番で10メートルとバーディーパットを次々に沈める。アンダーパーが8人のみと周りが伸び悩む中、課題だったパットでスコアメイク。この日のベストスコア67で単独首位に浮上し「寒さで手はかじかんだけど、いいパットが入ってくれた。こんな位置で最終日を迎えられるとは」と満足げに語った。
リベンジに燃える。前週のスタンレーレディスでは最終日の最終18番でバーディーを取れば優勝だったが、4メートルのパットを決めきれず、パーでプレーオフに持ち込まれ敗れた。だが、悔しさから落ち込む暇もなく「パットが決まれば優勝できる」と分析。すぐに連日のパット練習に取りかかり、「苦手な距離」の4~5メートルを中心に1日3時間ほど、みっちり球を転がした。「今日はパットに助けられた」と奏功した。
前週の第1日もこの日と同じ雨の中、耐えて首位発進。雨は「晴れより自分のやるべきことだけに集中できる」という。16日の今大会第1日も気温16・5度まで冷え、多くの選手がセーターを着込んだが、浅井は半袖でプレー。「暑がりなので、みんなよりマシかな」と悪条件も苦にならないようだ。この日後半は強雨に打たれ、周囲が「体感は10度以下」と嘆く寒さをものともせず「振りやすいように」とカッパの袖を外し、好スコアにつなげた。
151センチと小柄だがダイナミックなスイングが持ち味。昨夏の初優勝後はパットで試合ごとに握りを変えたりと悩み、ドライバーショットの不調もあってトップ10は2回のみで「2勝目は遠いと思っていた」。だが、2週連続で「黄金世代」では畑岡奈紗、渋野日向子らに次ぐ6人目の複数回優勝の好機が訪れた。「優勝は意識せずに明日もアンダーで回れたら」。自然体でツアー2勝目をつかみにいく。(宮下 京香)
◆浅井 咲希(あさい・さき)1998年6月13日、兵庫・尼崎市生まれ。22歳。父・靖宏さんの影響で幼少時にスナッグゴルフを始め、6歳で本格的に競技を開始。2017年に兵庫・滝川二高卒業後、同年のプロテストに一発合格。昨年8月のCATレディースで「黄金世代」9人目のツアー初優勝を飾った。家族は両親と弟2人、妹。151センチ、54キロ。ツアー通算2勝の小祝さくらは親友。