渋野日向子、今季初のV争い加わる週末…原英莉花から「一緒に回って、怖さを感じた」


15番で、談笑しながらセカンド地点に向かう原英莉花(右)と渋野日向子(カメラ・岩崎 龍一)

15番で、談笑しながらセカンド地点に向かう原英莉花(右)と渋野日向子(カメラ・岩崎 龍一)

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアー 最終戦メジャー JLPGAツアー選手権リコー杯第2日(27日、宮崎CC=6543ヤード、パー72)

 1差2位で出た渋野日向子(22)=サントリー=は5バーディー、2ボギーの69で回り、通算7アンダーで2差2位と、今季初めて優勝争いに加わって週末を迎えた。好調なショットで11番までに5バーディーを奪い、目標としていた「一日3アンダー(69)」を連日達成。68で回り単独首位を守った、同学年の原英莉花(21)=日本通運=は「一緒に回って、怖さを感じた」と渋野の復調ぶりを認めた。

 渋野は好スコアの満足感に、ボギー締めの悔しさが入り交じった複雑な表情で原と健闘をたたえ合った。今季初Vがハッキリと見える位置で2日目を終えた。優勝争いのワクワク感を久々に味わい、「いい位置で戦えている。今までより、レベルの高いことを(自分に)求めてしまうけど、上位に行くことでマイナスな考え方も減っている」と充実感をにじませた。

 6番で、第2打をグリーンの傾斜を使いピン30センチに寄せるバーディーで一時は首位に立った。10、11番で連続バーディーを奪ったが、13番で2オン3パットのパー。14、18番をボギーで2位とした。初日でも17番でボギーだったことを引き合いに「締めがわりぃのを2日続けてやるんじゃねえ」と“しぶこ節”で自分にダメ出しした。

 それでも、パーオン率83%は首位タイで、アイアンショットの縦距離に苦しんだこれまでの姿はない。「グリーンの(ピンサイドではなく)広い方を(狙って)大きく見るというのが今まで以上にできている」と分析した。4戦前に経験した失意の予選落ちから、自己採点は前週までに「5点」「12点」「60点」と週を追うごとに向上した。この日はついに「61点以上は出していい。厳しいかな~、自分に」。笑いながら、最高点を与えた。

 今月のTOTOジャパンクラシック、伊藤園レディスに続き、渋野と一緒に回った首位の原は「(ショットが)芯に当たり、飛んでいて、迷いなくやっている。ちょっと不安そうに見えた時もあったけど、今は全くなく、一緒に回って怖さを感じた」と、復調ぶりを証言。親しい同学年の盟友の追い上げに警戒を強めた。渋野は「いい位置で回って、険悪な雰囲気になるんじゃなく、楽しくできた」と感謝した。

 6月の開幕戦を含め、今季国内5戦中4戦でオーバーパーと、これまで“鬼門”だった2日目を60台で切り抜け、「一日3アンダーの目標を達成できて良かった」と前向きに語った。残り2日へ「まだ(優勝の)チャンスはある。今の自分の最高のプレーができるように頑張りたい」。南国・宮崎で渋野のゴルフに光が差した。(岩原 正幸)

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