米男子プロゴルフツアーのソニー・オープンは14日(日本時間15日)から4日間、米ハワイ州ワイアラエCC(7044ヤード、パー70)で開かれる。日本ツアー2勝の注目ルーキー・金谷拓実(22)=東北福祉大4年=は12日(同13日)、オンライン会見に出席した。今大会後に中東での欧州ツアー2戦に推薦出場が決まったことを明言。今夏の東京五輪代表入りを今年の目標に掲げて「1試合、1試合がとても大事。どの大会も優勝を目指して」と強い意欲を燃やした。
売り出し中の日本のルーキーがコロナ禍に負けず、世界に打って出る。金谷はこの日のオンライン会見で、欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシック(28~31日・UAE)、サウジ国際(2月4~7日・サウジアラビア)への推薦出場決定を明かした。元々、海外志向が強く、世界的なマネジメント会社IMGと契約。世界ランクを上げるため、日本ツアー開幕の4月以前に、出場できる試合を積極的に確保に動いている。
世界ランクは日本男子5番手の118位だ。今大会を含む欧米3試合で、今夏の東京五輪代表圏内の2番手の今平周吾(76位)との差を詰めにいく。「東京五輪は今年の大きな目標。出るためには1試合、1試合が大事になる。どの大会でも優勝を目指してやりたい」と、堂々と言い切った。
今大会にはアマチュアだった19年に初出場も、通算1オーバーの109位で予選落ち。「2年前は初めての米ツアーだった。けど今はメジャー3大会でプレーしたり、いろんな経験も増えて良いプレーができるんじゃないかって自分に期待しています」とうなずいた。
昨年10月にプロ転向。勝負強いパットを武器に、日本ツアーでは1勝を含む4戦連続トップ10入り中。賞金ランクも3位につけて史上2人目の新人賞金王も射程に入る。「プロ転向して試合を重ねるにつれて、自信を持ってプレーできるようになりました」と話す。
海外での注目度も高い。昨年9月、アマチュア世界NO1ゴルファーに贈られる「マーク・マコーマックメダル」を日本人初受賞した。今年から世界的ブランドのラルフローレンと日本人初の契約を締結。今大会の米ツアー公式サイトの優勝予想番付でも15番手に推された。「恥ずかしいけどちょっとうれしかった」と金谷。12日は米ツアー1勝の小平智(31)と練習ラウンドし「風が強かったり、ティーショットが難しいホールが多い」と警戒した。勢いに乗る大学生プロが五輪切符獲得に挑む。
◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年日本オープン11位で大会最年少ローアマ獲得。18年アジア・パシフィック選手権優勝。19年のメジャー、マスターズ58位、全英オープン予選落ち。19年8月、日本男子では松山以来2人目の世界アマランク1位に。同年11月の三井住友VISA太平洋マスターズで日本ツアー4人目のアマV。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。
◆男子ゴルフ東京五輪への道 21年6月21日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権獲得。〈1〉15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含み最大2人が出られる。7月29日から4日間、埼玉・霞ケ関CC東Cで72ホールストロークプレーの個人戦で争われる。16年リオ五輪で初出場した日本勢は池田勇太が21位、片山晋呉が54位だった。
◆欧州ツアーにおける世界ランク 出場選手のランクによって異なるが、米ツアーに準じるポイントが得られる。昨年例では、ドバイ・デザートC、サウジ国際ともに優勝で48ポイント。今週のソニー・オープンは同50ポイントで、先週のセントリー・チャンピオンズは64ポイントだった。マスターズなど海外メジャーは100ポイント。金谷が昨年国内ツアーのダンロップフェニックスを制した時は16ポイントが加算された。