山内日菜子 5バーディー自己最少スコア67 3打差の暫定4位に浮上「我慢強く集中してできた」


1番で第2打を放つ山内日菜子

1番で第2打を放つ山内日菜子

◆女子プロゴルフツアー Tポイント×ENEOS第2日(20日、鹿児島・鹿児島高牧CC)

 降雨により26人が競技を終えられず、サスペンデッドとなった。プレーを終えた中では、ツアー未勝利の山内日菜子(24)=ライク=が21位で出て、5バーディー、ボギーなしでツアー自己最少スコア67。通算8アンダーで3打差の暫定4位に浮上した。同じ“ひなこ”の渋野日向子(22)=サントリー=の存在を刺激に、88年のツアー制施行後、史上初の主催者推薦での繰り上がり出場から初優勝を狙う。65のサイ・ペイイン(29)=台湾=が11アンダーで暫定首位。渋野日向子は16番を終えて通算5アンダー。

 日向子じゃなくて、日菜子が来た! 山内が大雨をものともせず優勝争いに浮上した。前半で3つ伸ばすと、雨が強まった後半は13番パー5で77ヤードの第3打を1メートル半に寄せてバーディー。15番は2メートルのバーディーパットを冷静に沈めた。ツアー自己ベストの67で回り「雨にも負けず、我慢強く集中してできた」と胸を張った。

 今大会は開幕3日前の16日に急きょ出場が決まった。主催者推薦枠で出場予定だったアマチュア選手が欠場したことで、同枠で切符をつかんだ。地元の宮崎国際GCでの練習中に連絡を受け「信じられない」と驚いたが、すぐに鹿児島入り。17、18日の練習ラウンドなど急ピッチで仕上げ「準備が足りてないのはあったけど(調子は)いい感じだった」と巡ってきたチャンスに自信を持って挑んだ。

 16年のプロテスト合格後、主戦場は下部ツアーだった。19年に初めてレギュラーツアーにフル参戦するも、34戦中19度の予選落ちに終わった。この反省から同年オフに体力面を改善すべく栄養士をつけて食から見直した。以前は試合前でも何も考えず好きなものを食べていたが、エネルギーに変換されやすい糖質を取るように心がけ、ご飯、肉うどんなどを食べるようになった。結果、体調が上向き「練習量をこなせるようになった」と成果を実感している。

 山内が悔しさを味わった19年、海外メジャーを含む日米5勝で一気にスターとなったのが渋野だった。同じ「ひなこ」の名を持つ2人。接点はないが、山内は会見で「同じ名前というのはうれしさがある」と刺激を受けていることを明かした。名前が挙がった渋野は「ありがたい。うれしい」と笑顔。今季ツアーの出場権がない山内は「優勝して今後もレギュラーツアーで戦いたい」と決意。ツアー制施行後では史上初、主催者推薦枠の繰り上がり出場から初優勝を狙う。(宮下 京香)

 ◆山内 日菜子(やまうち・ひなこ)1996年4月22日、宮崎県生まれ。24歳。9歳でゴルフを始める。宮崎東高から2015年に山梨学院大を中退。16年7月のプロテストに一発合格。17年に下部ツアーハナサカレディスでプロ初優勝。19年に初めてレギュラーツアーにフル参戦し、同年のアクサレディス18位が最高。19年予選会105位で今季は下部ツアーが主戦場。162センチ、60キロ。

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