21歳・稲見萌寧、年少4位の2週連続優勝「絶対的な自信」3戦3勝PO制した


プレーオフを戦った小祝さくら(左)とお互いの健闘を称え合う稲見萌寧

プレーオフを戦った小祝さくら(左)とお互いの健闘を称え合う稲見萌寧

◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社特別協力 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日(11日、兵庫・花屋敷GCよかわC=6390ヤード、パー72)

 第2ラウンド(R)の残りと決勝Rが行われ、3アンダーの首位で出た稲見萌寧(21)=都築電気=が、通算5アンダーで並んだ小祝さくら(22)=ニトリ=とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、自身初、ツアー史上年少4位(21歳256日)で2週連続優勝を果たした。今年は6戦3勝で勝率“5割”とし、20―21年シーズンは4勝目。通算5勝のうち、POは3戦3勝と圧倒的な強さを発揮した。

 8メートルのウィニングパットを沈め、稲見は右手を空高く突き上げた。「2週連続優勝は本当にうれしい。終わった時は忘れていて、先週も優勝したんだと改めて実感しました」。21歳256日での2週連続Vは古江彩佳(富士通)の20歳179日に次ぐ、ツアー4番目の若さ。会見では快挙の喜びをかみしめた。

 首位の小祝に一時は3打差をつけられた。15番から3連続バーディーで6アンダーとして逆転したが、18番で2メートルのパーパットを外して決着は小祝とのPOにもつれ込んだ。嫌な流れにも「がっかりしなかった。POは絶対的な自信がある」と余裕。18番でのPO2ホール目。残り159ヤードの2打目を、ピン左手前8メートルに寄せると「これを決めなきゃ勝てない」と自然とギアが入り、パットをねじ込んだ。これで3月の明治安田生命レディス以来、POは3戦3勝と抜群の勝負強さだ。

 「ショットは調子が悪くて60%」とスタート直前まで奥嶋誠昭コーチとテレビ電話をつなぎ修正する“応急処置”を取ったが「最後まで当たらなくて…」。風を読み間違えるミスもあったが「アプローチとパターで頑張った」。ピンチに動じないのも稲見の強みだ。

 大会初日、中継スタッフが新型コロナ陽性の判定を受け、スタートが6時間30分遅れる異例の事態。第2日は日没順延で積み残した第1R10ホールと第2Rの計28ホールを回り、疲労困ぱい。必死に回復には努めたが「疲れはピークを通り越していました」と“限界突破”での優勝だった。

 優勝賞金1800万円を手にし、今季の獲得賞金は約8500万円と1億円の大台に迫り、賞金ランクも6位から4位にアップした。「内容が濃すぎる6試合」と振り返ったように、今年は優勝3度で7位が2度。「オフは絶望的に調子が悪くて、3勝は全く想像していなかった」。今の稲見なら、史上3人目の3週連続優勝も夢ではない。(菅原 美沙)

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