前日スタート15分前に出場が決まった小楠梨紗が66の好スコアで5位浮上


小楠梨紗

小楠梨紗

◆女子プロゴルフツアー ヨネックスレディス 第2日(5日、新潟・ヨネックスCC=6435ヤード、パー72)

 第1日(4日)のスタート直前に、首痛のため欠場した19年の前回大会覇者の上田桃子に代わって出場が決まった小楠梨紗が、3連続を含む6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算4アンダーまでスコアを伸ばした。58位からスタートして、小楠がホールアウトした時点で、首位と3打差の5位に急浮上した。

 10番からスタートすると、いきなり10メートルのロングパットを沈め、バーディー発進。続く11番は1・5メートルのバーディーパットを確実に沈めた。さらに12番、10メートル超のバーディーパットを沈めた。「10番は入ると思わなかった。11番は短かったので『よしッ!』と。12番は、また入って、びっくりしましたね」。いきなりの3連続バーディーを笑顔で振り返った。

 今大会、小楠は土壇場で出場が決まった。マンデートーナメントで落選。シード権を持たない選手のランキング83位の小楠は、直前で欠場者が出た場合に備え、ウェーティング選手として新潟に残った。大会初日、午前6時30分にコース入り。「普段ならウェーティングの時、ちゃんと練習するんですが、昨日(4日)は大雨だったので、ほとんど準備せずに車の中で待っていました。上田桃子さんが首を痛めているという情報をヤフーニュースで見ていたので、もしかしたら順番が回ってくるかな、と思っていましたが、連絡がなかったので、車でウトウト寝てしまっていました」と小楠は前日朝の様子を語った。

 その頃、上田は前年覇者としての責任感で、ぎりぎりまで出場を検討していた。練習場でボールを打つことも試みたが「(痛みを)かばうような形でスイングができなかった」ため、最終的に欠場を決断。それは午前9時30分のティーオフの約15分前だった。

 急きょ出場が決まった小楠はクラブハウスに駆け込み、準備を整え、1番ティーグラウンドに向かった。「ドタバタでしたね。気持ちを整理する時間もなかった。1番のティーショットは『お願いだから、真っすぐに行って!』と思いながら打ちました」とまさにドタバタ劇を振り返った。第1日は10番から4連続ボギーをたたくなど、2オーバーの58位で終えた。

 落ち着いてスタートをしたこの日は、一転。前日にボギーを連発した10番から12番でバーディーを奪うなど、一気に上位に進出した。

 これまでツアーでウェーティングから出場し、優勝した選手は17年ゴルフ5レディスのO・サタヤ、18年マンシングウェア東海クラシックの香妻琴乃がいる。今大会で最後の108番目の選手として出場が決まった小楠は下克上Vの期待がかかるが「順位は考えないなようにプレーします。欲をかくと、ダメなタイプなので」と、笑顔を見せながら冷静に話した。無欲の快進撃がどこまで続くか、注目だ。

 13番を終え、通算7アンダーの笠りつ子が首位をキープ。1打差の2位に、ともに14番まで終えた山路晶と三ケ島かなが続く。

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