◆男子プロゴルフツアー メジャー第1戦 日本ツアー選手権森ビル杯 最終日(6日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7387ヤード、パー71)
プロ9年目の29歳、木下稜介(ハートランド)が4打差の単独首位で出て4バーディー、1ボギーの68で回り通算14アンダーとし、ツアー初優勝をメジャーで飾った。直近10大会で9人目の初優勝者となった。
木下は前半のうちにスコアを3つ伸ばした。2番パー5で2メートルを沈めると、4番で6メートル、6番パー5で3打目を30センチにつける落ち着いたゲーム運びを見せた。10番で初ボギーも、15番で5メートルのバーディー。2位に5打差をつけ逃げ切った。
「夢見ていた場所に来られて良かった。ゴルフをさせてくれた両親には一番感謝しています。応援してくださっている方々に優勝を届けられたのが本当にうれしい」。涙の初優勝の味は格別だった。20代で優勝したいと公言しており「正直もうダメかなと思っていたけど、何とか勝てて良かった。今日勝たないと、もうないと思ってプレーしていた」と、うなずいた。
5年シードを獲得し「欧州のQTとか積極的に海外に出て行きたい」と意欲を示した。賞金ランクで2位に浮上した、松山英樹と同学年の29歳は「この初優勝が遠くて“呪縛”ではないですけど、勝つまで苦しかったので、その荷物をやっと降ろせた。今季あと2勝して、目標は賞金王になること。全英オープンではトップ10に入って次回の出場権も取りたい」と、先を見据えた。
好きな言葉は「日々努力」。自称“ゴルフ大好き野郎”は「練習しかない。気分転換でクラブを握らない選手もいると思うけど、僕はそれが嫌。オフでもクラブを握るし、落ち着きます」と笑顔で語った。マスターズ覇者の松山、ツアー17勝の石川遼の存在にも「同学年で良かった。一番刺激がもらえる」と感謝を述べていた。