4月のマスターズで日本男子初のメジャー制覇を成し遂げた東京五輪日本代表の松山英樹(29)=LEXUS=が、星野陸也(25)=フリー=とともに大会公式会見に出席した。今月初めのコロナ感染後初めて口を開き、回復具合や過去に2勝を挙げている好相性コースで「今回も良い成績を出せたら」と日本人ゴルファー初の金メダリストへの夢も語った。
日本のエースが良縁のあるコースに帰ってきた。コロナ感染後の復帰戦となる松山は、日本代表のマスクをつけて会見に臨んだ。「コロナにかかって3週間後に、ここに立てるか不安はあったんですけど来られて良かった。初の五輪なので今まで通り全力で一打、一打集中して頑張れたら」と胸の内を明かした。
7月初めの米ツアーで新型コロナの陽性判定が出た。その後、米フロリダ州内の自宅で静養。「かかった時の数字が結構ひどかったみたい。10日目に陰性が出た時はすごくうれしかったですし、ゴルフができる喜びをすごく感じました」と振り返った。
マスターズ優勝後、初の凱旋試合となる。霞ケ関CCは09年日本ジュニアを制し、10年アジアパシフィック・アマチュア選手権優勝で、翌年のマスターズ初切符をつかんだ思い出の会場だ。25日から既に練習ラウンドも始めているが「フェアウェーをキープするのが大事。自分が変わった場所じゃないけれど、今回も良い成績を出して、また変われたらな」と運命も感じている。
猛暑の中での消耗戦。体力の回復具合も心配されるが「昨日初めて歩いて1ラウンドしたが、思ったよりはできた。練習はできているので、試合に向かう集中力や体力の減りはまだ想像できないので何とも言えないですけど、気持ちでカバーしていけたらいい」と静かにうなずいた。
日本選手団は連日のメダルラッシュに沸く。「携帯でメダルのニュースを見ているので、僕も続いていけるように」と力を込めた。男子ゴルフの金メダル候補だった世界ランク1位のジョン・ラーム(スペイン)、6位のブライソン・デシャンボー(米国)がコロナ感染で欠場となった。「しっかりと金メダルを目指して頑張りたい」と松山。自身初めて日本、アジアの頂点に立った思い出の地で世界一への扉もこじ開ける。(榎本 友一)