ツアー初優勝した吉田優利の父が語る娘の成長「昔は『自分が勝ちたい』だったが大人になった」


優勝トロフィーを手に笑顔を見せる吉田優利 (カメラ・馬場 秀則)

優勝トロフィーを手に笑顔を見せる吉田優利 (カメラ・馬場 秀則)

◆女子プロゴルフツアー 楽天スーパーレディース 最終日(31日、兵庫・東急グランドオークGC=6568ヤード、パー72)

 1打差2位から出た21歳の吉田優利(エプソン)が8バーディー、2ボギーの66で回り、通算18アンダー。逆転で2位に3打差をつけ、新規大会の初代女王となるツアー初優勝を飾った。吉田の父・英隆さん(47)がスポーツ報知の電話取材に応じた。

 英隆さんは、今秋のプロテスト合格を目指す妹・鈴(りん)さん=千葉黎明高3年=の練習に付き添うため現地には行かず、優勝の瞬間を千葉の自宅で中継を見守った。「プロになって1回くらい優勝できたらいいなと思っていましたが、本当に支えてくれた周りの方々のおかげです。あ、勝っちゃったね、という感じで涙は出ませんでした」と喜んだ。

 2000年度生まれの「ミレニアム世代」ではナショナルチームでともに戦った古江彩佳(4勝)、西村優菜(2勝)に続き3人目のツアー優勝となった。吉田は4月以降、トップ5が3回と惜しい戦いが続いたが、焦りを感じている様子はなかったという。

 「同級生が先に行っていても、それを意識しているような感じはなかった。家にいても、自分は自分、という感じで、私も勝ちたいとか言うことは一切なかった」。父によると、上田桃子、小祝さくらといったトッププロを擁する辻村明志コーチのチームで腕を磨き、精神的にも成長したのが大きかったようだ。予選落ちした5月のパナソニックオープンでは上田の優勝を自宅のテレビで見守り、「刺激になったのでは。私もこういう風になりたいな、っていうのもあったと思います」と心境を推し量った。

 「ジュニアの頃は、ただ『自分が勝ちたい』という思いでやっていたと思う。プロになってからは(考えが)大人になった。ほっておいても勝手にやってくれる」。これまで休養に充てていたという試合翌日の月曜日も、屈指の練習量を誇る小祝の影響を受け、午前中は早起きして練習、午後はトレーニングで汗を流す。ツアーで遠征に行くと、弟、妹にもお土産を買ってくるなど「気持ちには余裕があったと思います」と分析した。

 吉田本人は優勝会見で「(副賞の)車はお父さんにあげます。家族にもプレゼントをしたいので、欲しいものを聞いてみようと思います」と、うれしそうに話した。

 ◆吉田 優利(よしだ・ゆうり)2000年4月17日、千葉・市川市生まれ。21歳。10歳から父の影響でゴルフを始め、16年後期からアマチュアのナショナルチーム入り。18年に宮里藍さん以来の同一年で女子アマ日本タイトル2冠。19年にプロテスト合格。バレーボールが好きで、アニメの「ハイキュー!」がお気に入り。家族は両親と弟、妹。158センチ、58キロ。

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