◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第2日(27日、福岡・芥屋GC=7210ヤード、パー72)
第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われ、ツアー通算18勝の藤田寛之(葛城GC)が3打差7位で出て4バーディー、2ボギーの70で回り、通算7アンダーの7位で決勝Rに進出した。地元・福岡県出身の14年大会王者は首位と3打差逆転で、杉原輝雄(89年大会)と並ぶ52歳74日での大会最年長優勝に挑む。ツアー1勝の大槻智春(31)=真清創設=、スコット・ビンセント(29)=ジンバブエ=が10アンダーの首位に並んだ。
百戦錬磨のベテランが憧れのレジェンドの背中に迫った。藤田は気温32度を超える猛暑の中、持ち味の小技でスコアを伸ばした。2日間計52パットは全体最少で「アプローチとパターが良くてスコアが伸びています。ショットの調子は良くないですよ」と謙遜した。
勝てば敬愛する杉原の大会最年長優勝記録と並ぶ。「52歳で勝ったのはものすごい」と実感のこもった言葉でたたえた。「強いだけじゃなくて、何かを感じてもらえるような杉原さんの姿に憧れている。生きざまを感じてもらうのも、プロとしての存在意義」とプロ30年目の藤田は深くうなずく。
一方で温暖化や飛距離アップなどで「時代は変わってきた」とも言う。「97年大会でジャンボさんと同じ組で、(今では当たり前の)日傘を差して回ったら怒られたんですよ」と笑顔で振り返る。「周りに頑張れ、と応援してくれる人がいる。そういう人のせいで頑張らないといけない」と独特の言葉で、7年ぶり&50代自身初の栄冠へと歩を進めていく。(榎本 友一)