石川遼 2打差以上の単独首位で最終日迎えた試合は過去7戦7勝 1年9か月ぶりVへ「自分自身との戦いになる」


石川遼

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◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック 第3日(4日、山梨・富士桜CC=7566ヤード、パー71)

 第2ラウンド(R)残りと第3Rが行われた。首位タイから出た石川遼(29)=カシオ=が前半の3連続バーディーなど4バーディー、1ボギーの68で通算8アンダーとし、2位に2打差をつけて単独首位となった。過去、2打差以上の単独首位で最終日を迎えた試合は7戦7勝とV確率は100%。2009、10年に連覇した大会で、19年12月の日本シリーズJTカップ以来となる今季初優勝に王手を掛けた。

 コースが暗くなりかけた午後5時40分ごろ、全選手で唯一3日間60台で終えた石川は「すごく長い一日でした」と、大きく息をついた。スタートが1時間30分遅れ、15番のプレー中に大雨で競技が一時中断した。約5時間のラウンドは「霧も濃くなり、寒さも。(雨で)飛距離も落ちて、コースがさらに難しくなった」という中、前半に伸ばし、後半に耐えた。

 3、4番と伸ばして迎えたツアー屈指の難関5番パー4(実測501ヤード)だ。ドライバーショットを330ヤード先のフェアウェーに運ぶと、8アイアンでピン右1メートルにつけ、ギャラリーから喝采を浴びた。「ピンを狙っていける状況だった。いい2つのショットだった」。大会10度目の出場で、5番は34R目で初バーディーを記録した。

 14番では12メートルのバーディー。15番で3パットのボギーとしたが、8アンダーで最終日へ。過去2打差以上の単独首位で最終日を迎えた試合は、連覇した09、10年大会を含め7戦7勝とデータも久々の優勝を後押しする。

 昨春から、トップの位置を浅くして再現性を高めるためのスイング改造に着手した。「ヘッドが通る位置(軌道)が理想から遠いところからのスタート。今はいいところに近づいている」と手応え。2日連続でボギーを1つに抑える内容に「非常に大事にしているところ」とうなずいた。

 前回、富士桜で優勝した11年前から「ゴルフへの向き合い方、考え方は変わっている」という。前週は今季最高の2位。19年12月、日本シリーズJTカップ以来の通算18勝目に王手を掛けた。節目の20代最後の試合で1年9か月ぶりVへ「18ホールあるので、戦況は目まぐるしく変わる。自分自身との戦いになる」と力を込めた。(岩原 正幸)

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