◆女子プロゴルフツアー 21年メジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 第3日(11日、茨城・静ヒルズCC=6680ヤード、パー72)
2位から出た西郷真央(大東建託)が6バーディー、ボギーなしの66で通算12アンダーとし、単独首位に浮上。ツアー&メジャー初優勝に王手を掛けた。19歳339日での優勝なら、14年大会で鈴木愛が達成した20歳128日を更新し、大会最年少記録となる。この日ベストの65をマークした稲見萌寧(22)=都築電気=が、ツアー18勝の大山志保(44)=大和ハウス工業=と11アンダーの2位で並んだ。
師匠・尾崎将司(74)から「せごどん」の愛称で呼ばれるショットメーカー、西郷が快調にスコアを伸ばした。25歳上の大山らと回り、「私みたいな下っ端に優しく接していただき、楽しくプレーできました」と感謝した。10番までに3つ伸ばすと、15番からはショットをピンそばに運び、3連続バーディー。1打差の単独首位で初タイトルに王手をかけた。
「すごくいいプレーができた。(1メートルにつけた)16番のセカンドはイメージ通り」。笑顔が多かったラウンド中と同様、表情を崩した。この日のパーオン率89%は今季7勝で2位の稲見と並びトップ。前週の試合を休養したことも「いいふうにつながった」と奏功した。
勝てば17、19年賞金女王の鈴木が14年に達成した大会最年少優勝記録(20歳128日)を更新する。国内メジャーを10代で制した選手は、米ツアー4勝の畑岡奈紗(16、17年ともに日本女子オープンで17、18歳時)しかおらず、史上2人目の快挙は目前だ。
ジャンボ尾崎アカデミーの1期生で、千葉・麗沢高3年時の19年に日本女子アマ選手権で優勝。同年秋のプロテストに一発合格した。ルーキーシーズンの今季、トップ10が13回あり、6月以降は2位が3度。最終日最終組はこれまで6度あるが、まだ優勝がない。「私自身引きずっているわけではないので、いろんな経験が日々成長する上で必要。全力でやるだけ」と落ち着いて話した。
単独4位(1200万円)以上で生涯獲得賞金1億円突破も懸かる。優勝で得られる3年シードも大きな魅力で「プロを目指していた頃から海外志向があるのでチャンス」としながら、「意識するよりは目の前の一打です」と強調した。全米女子オープン覇者の笹生優花らと同じ2001年度生まれの西郷が、栄冠に一歩近づいた。(岩原 正幸)