渋野日向子、コロナ下メジャー初有観客に「アドレナリン出た」ラスト連続ボギーには「プチーンときた」


6番ティーショットを放つ渋野日向子。初日3アンダー3位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

6番ティーショットを放つ渋野日向子。初日3アンダー3位の好スタートを切った(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ▽2021年メジャー第3戦 日本女子オープン 第1日(30日、栃木・烏山城CC=6550ヤード、パー71)

 2年ぶり4度目出場の渋野日向子(22)=サントリー=は7バーディー、4ボギーの3アンダー、68で回り、首位と2打差の4位と好スタートを切った。コロナ下ではメジャー初の有観客開催でギャラリーの声援を受け、全選手最多の7バーディー。19年以来の国内メジャー2勝目へ好発進した。ツアー16勝でメジャー初制覇を狙う上田桃子(35)=ZOZO=が5アンダーで単独首位発進した。

 今季最多2824人の観客が詰めかけた名門・烏山城CCで渋野が豪快なプレーを披露した。14番パー5で残り248ヤードから2打目を6メートルに2オン。2パットで“お先”のバーディーを決め、全選手最多の7バーディーを奪った。「ギャラリーの前でアドレナリンが出た」。3連続バーディーで一時は首位にも並んだ。

 快調に伸ばす中、最後に落とし穴が待っていた。「(気持ちを)抑えきれなかった」。490ヤードと長いパー4の最難関17番でボギー。続く18番で2打目をバンカーに入れ「プチーンときた」と連続ボギーを喫し、「何してるんだろうという終わり方」と表情を曇らせた。テレビインタビュー後は約1時間、「悪い感じを直したかった」とショットを修正し、気を取り直して公式会見に臨んだ。

 「上がりがすごい悔しいけど、結果的に3アンダーで、初日としてよかった」と前向きに捉えた。コロナ下の昨年以降ではメジャーで初めて観客を入れて開催された中、「緊張したし、これがあるべき女子ゴルフの試合なのかな」と原、稲見との実力者同士のプレーを楽しんだ。

 アマチュアで出場した、同会場での16年大会は2日目に86をたたき18オーバーで予選落ち。大会前は「80を切れる気がしない」と弱気だったが、「5年の月日でちょっと大人になれた」と成長を実感し、笑顔になった。「17、18番で左右に行ったけど、ドライバーを最後まで気持ちよく振れた。だいぶかみ合ってきた」と、今年から取り組むスイング改造にも手応えをにじませた。

 12月には来季の出場権を懸けた米ツアーの予選会が控える。調子を上げる過程の中で、首位と2打差の4位。19年5月のワールドレディスサロンパスカップ以来の国内メジャー2勝目へ好発進した。「(今年は)2日目が鬼門なので、目の前のことに集中してやりたい」と、自身に言い聞かせた。(岩原 正幸)

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