渋野日向子、3月末に語ったスイング改造への覚悟「どんな場所でも自分の意思を貫いてやり通す」


1年11か月ぶりの優勝を決めた渋野日向子はトロフィーを手に笑顔を見せた

1年11か月ぶりの優勝を決めた渋野日向子はトロフィーを手に笑顔を見せた

◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディス 最終日(10日、静岡・東名CC=6592ヤード、パー72)

 2打差の5位から出た渋野日向子(サントリー)が19年11月の大王製紙エリエールレディス以来となる国内通算5勝目を飾った。6バーディー、2ボギーの68と伸ばし、通算10アンダー。木村彩子(富山常備薬グループ)、ペ・ソンウ(韓国)、アマチュアの佐藤心結(みゆ、茨城・明秀学園日立高3年)との4人によるプレーオフを2ホール目で制した。

 今年初めから取り組んだスイング改造とウェッジ4本態勢が実を結び、攻めのゴルフで、涙の復活優勝を手にした。米ツアーでの成功を見据え、長期的視点に立った挑戦だが、当初はなかなか思うように結果が出ず苦しい時期を過ごした。

 3月のアクサレディス後には「いろんな意見があると思うけど、私が決めたことを最後までやり切りたい。まだまだ(新たな取り組みを)始めたばかりだけど、やり切れていると個人的には思っている。日本でも米国でも、どんな場所でも自分の意思を貫いてやり通したい」と強い覚悟を口にしていた。

 昨年は「(日米で5勝した)19年の自分を超えるのは難しい」と考えることもあり、このまま勝てないのではと思った時期も「めちゃくちゃある」と振り返る。「本当に女子ゴルフ界は世代交代が早い。2年前にレギュラーツアーに出たのに、そう思う。自分が置いて行かれるような感覚があった。勝てる日を夢みて考えながら、スイングを試行錯誤して練習に取り組んだ」と、日々課題と向き合った。

 686日ぶりに頂点に立ち、「こんなにうれしい気持ちで終われるとは思っていなかった」と喜びに浸った。「あまり自分自身にプレッシャーをかけ過ぎないように、また来週から切り替えてやっていきたい」と今後を見据えた。(岩原 正幸)

 ◆渋野の記録(国内)

 ▼生涯2億 今回の優勝で賞金1800万円を加え、節目の50戦目でツアー5番目に速い生涯獲得賞金2億円に到達。

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