杉山知靖、ツアー初優勝 女手一つで育ててくれた母に感謝


通算19アンダーでツアー初優勝を飾り、青空の下、トロフィーを手にする杉山知靖

通算19アンダーでツアー初優勝を飾り、青空の下、トロフィーを手にする杉山知靖

◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン 最終日(10日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=7119ヤード、パー71)

 プロ7年目の杉山知靖(28)=レイクウッドコーポレーション=が通算19アンダーでツアー初優勝を果たした。首位で出て6バーディー、1ボギーの66で回り、2位に3差をつける逃げ切りV。日本開催の米ツアー、ZOZOチャンピオンシップ(21日開幕、千葉・習志野CC)出場権も初獲得した。片岡尚之(23)=フリー=、香妻陣一朗(27)=国際スポーツ振興協会=が2位に入り、同大会の出場権を手にした。

 人懐っこいまん丸い顔がほころんだ。ウィニングパットは50センチ。無観客の静けさの中、カップの音を響かせた。苦節7年。ようやく手にした初勝利だ。仲の良い稲森佑貴(27)らから手荒いウォーターシャワーで祝福を受け、真っ先によぎったのは、女手一つで育ててくれた母・智恵さん(57)の顔だ。「母子家庭で、好きなゴルフを不自由なくさせてくれた。子供ながらに、こんなにお仕事をさせて申し訳ないと思っていました」

 2度目の最終日最終組。片岡尚に2度首位に並ばれた後も「自分のゴルフにだけ集中した」。絶好調だったグリーン上での勝負も光った。ともにバーディーだった15番の2・5メートル、16番の1メートルとパットがさえた。

 高知・明徳義塾高ゴルフ部出身。「同じ舞台に立てるだけでも光栄」という「偉大な先輩」松山英樹との再会を、出場切符を得たZOZOの舞台で心待ちにする。最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月2~5日・東京よみうりCC=報知新聞社主催)への2年連続出場も決め、一気に道が開けた。「おごらずに日々、精進して頑張りたい」。丸い顔がさらに丸くなった。(榎本 友一)

 ◆杉山 知靖(すぎやま・ともやす) 1993年4月28日、横浜市生まれ。28歳。5歳の時に祖母の影響でゴルフを始め、高知・明徳義塾高から中央学院大にともに「特待生」で進学。大学在学時の2015年12月、翌シーズン出場権をかけた最終予選会に残りプロ宣言。今年7月の下部ツアー「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・チャレンジ」で初優勝。今季賞金ランク16位。173センチ、75キロ。

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