米男子ツアーのZOZOチャンピオンシップは21日から、千葉・アコーディア習志野CC(7041ヤード、パー70)で4日間、行われる。9月に日本男子ツアー5人目のアマチュア優勝を果たし、主催者推薦での出場で米ツアーデビュー戦となる中島啓太(21)=日体大3年=は19日、メジャー2勝のコリン・モリカワ(24)=米国=と初めて同組で練習ラウンド(R)した。類似点も多い“目標”から世界で戦うために必要な技術や精度、心構えなどを学んだ。
大会初のアマチュア出場となる日本の若武者が、メジャー王者のすごみに驚嘆した。中島が「一番勉強になった」と話すのは18番パー5の第1打だ。左ドッグレッグ(左に大きく折れ曲がった形のホール)で、中島は持ち球ではないドローボールを打って左林へ消えた。
モリカワはホール形状とは異なる持ち球のフェードを貫き、左林の上から曲げてフェアウェーをとらえた。「自分が子供に思えた。僕も、あの品のあるフェードボールを極めていけたら」と目を輝かせた。
メーカー関係者の紹介で、10番から9ホールを2人で回った。時折、英語で話しながら約2時間半。モリカワからは「スタートラインに立ったね。おめでとう」と祝福された。総合力の高いゴルフが持ち味の21歳は「目標とする人のプレーを間近で見られて、幸せな時間を過ごさせてもらいました。人間性も格好いいですよね」と目を輝かせ、全英王者を見つめた。
2年前。同じ会場で中島はギャラリーとしてモリカワ組について歩いた。年齢が近く、身長や体形も似ていて持ち球も同じ左から右に曲がるフェード。「目標にしたい選手」と強い憧れを抱いた。この日は飛距離はほぼ同じだったが、「(世界屈指を誇る)精度は比べものにならない。人間性、球筋、全てが自分には足りない」と脱帽だった。
世界アマランク1位で来年のメジャー、全米オープンと全英オープン切符を持つ。モリカワから「全英楽しみにしているよ」と声をかけられた。「学生のアマチュアなので思い切りプレーしたい。いいスタートを切ってどんどん世界に出ていきたい」と中島。メジャー王者の背中を追う挑戦が始まる。(榎本 友一)