◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第2日(30日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)
日米通算6勝の渋野日向子(サントリー)は、1打差3位からしスタートし、6バーディー、2ボギーの68をマーク。通算7アンダーで、ツアー通算2勝のぺ・ソンウ(韓国)=大和地所=とともに首位に並んで、最終日を迎えることになった。
強い日差しの下、前日とは一転して、ほぼ風の無い穏やかな条件で伸ばし合いの様相となった。上下真っ白なアディダスのウェアに身を包んだ渋野はともに初優勝を目指す金沢志奈、野沢真央と同組で回った。上限近い2974人のギャラリーが詰めかけ、ツアー屈指の人気を誇るスマイルシンデレラの組には大勢の観客がついて歩いた。前日の上下真っ黒から一転して、上下真っ白なコーディネートにした理由を「誰にも染まりませんよ、という白です。理由がないから言っただけです」と冗談交じりに説明。注目の最終日のウェアについては「明日雨ですよね? 考えますけど、理想としては紺色かなと思っています」と予告した。
3番で、残り124ヤードから8アイアンでの2打目を1メートル(M)につけてバーディーを先行させた。5番は6アイアンでの第2打がグリーン右手前に外れてボギー。6番は8アイアンでの2打目をピン左上3Mにつけて伸ばした。7番は、7アイアンでの第2打をピン右上3Mにつけて連続バーディー。8番パー3は、6アイアンでの第1打をピン手前4Mにつけて伸ばした。9番パー5はウェッジでの3打目をスピンをかけてピン左下3Mにつけ、4連続バーディーでクラブハウス周辺を埋めたギャラリーをどよめかせた。
後半に入ってもショットの好調を維持した。12番パー3は、7アイアンでの第1打が2バウンドしてピンの根元に当たって、ピンそばに落ちるホールインワン逃しのバーディーで、グリーン周りの観衆が沸き立った。15番パー3は、第1打をグリーン右に外してボギーとなった。ホールアウト後「一日ずっとショットは安定していた。特にやべぇミスはほぼほぼ無かった。2日間全体的に安定してショットを打てていたので、このスコアで上がれた」とうなずいた。
昨年大会初日では、8番でホールインワンを決めるも予選落ち。これまでアマチュア時代から、ホールインワンを決めた試合は、5度全て予選落ちのジンクスを持っている。前日の第1ラウンドの8番パー3でも、ピン手前1Mにつけるホールインワン未遂のバーディーを決めていた。この日も12番でピン直撃のスーパーショットを放ってバーディー。「またピンの方に行きおるな、と思って見ていたら(打球が)直角に曲がったので。入らんで良かったなと思いましたね」と笑い飛ばした。
とはいえ、予選通過を果たして臨む最終日は考え方が変わるという。「明日は(ホールインワンでも)いいんじゃないですかね。最終日に入れるのが気持ち良いと思うので」と笑顔で他の選手同様に、エースを歓迎する姿勢を表明した。
2019年5月に渋野がツアー初優勝を飾った国内メジャー、ワールドレディスサロンパスカップと同じく、ぺと2人が首位に並んでの最終日最終組対決となった。「ソンウさんと首位タイで今からでも緊張しちゃう位置で終わったので。明日はあまり気にせずにやりたい。この2日間、良いゴルフができているので心がけていることを最後までやり切りたい。このコースは攻めようにも攻めきれないので一打、一打必死にやるしかない」と自分との戦いを強調した。