◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第2日(30日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)
渋野日向子(22)=サントリー=が、今季2勝目&日米通算7勝目に王手をかけた。1打差3位で出て、ツアー自己最多タイの4連続を含む6バーディーを量産して68。通算7アンダーで、ツアー通算2勝の韓国のぺ・ソンウ(27)=大和地所=とともに首位に並んだ。渋野が最終日を首位で迎えるのは日米ツアー通算3度で2勝。国内では初優勝を飾った2019年ワールドレディスサロンパスカップ(報知新聞社後援)以来で、同じぺとの最終日最終組対決の再現となった。
前日の強風から一転して、穏やかな秋晴れとなった第2R。渋野は初日の真っ黒のウェアから真っ白に変わっても、ショットの好調さは不変だった。この日のフェアウェーキープ率は100%でパーオンを逃したのも2ホールだけ。第2R最多6バーディーを量産して首位に立ち、「一日ずっとショットは安定していた。やべぇ~ミスは、ほぼほぼなかった」と代名詞の笑顔を輝かせた。
上限近い大観衆を最も沸かせたのは12番だった。7アイアンでの第1打はピンの根元に当たり1・5メートルへ。2日連続での“ホールインワン未遂”のバーディーとなった。初日の8番でエースを決めた昨年大会など過去、エースを決めた5戦全て予選落ちのジンクスを持ち「またピンの方に行きおるな、と思って見ていたら(打球が)直角に曲がったので。入らんで良かったな、と思いました」と笑い飛ばした。2戦ぶりの予選通過を果たし「最終日に入れるのが気持ち良いと思う」と最終Rだけはエースを歓迎する考えも明かした。
渋野が最終日を首位で迎えるのは4度目。19年5月のワールドレディス―、2打差単独首位から1打差で逃げ切り、日本女子2人目の海外メジャー制覇を成し遂げた19年8月のAIG全英女子オープン、1打リードの単独首位から4位に敗れた20年12月のメジャー、全米女子オープン以来だ。今年取り組んできたスイング改造とコースマネジメントが実を結びつつあり「全米女子と比べたら落ち着いてできるかな」と自信も口にした。
日本ツアー初優勝を飾ったワールドレディス―と同じく、ぺと首位に並んでの最終日最終組対決となる。「今からでも緊張しちゃう位置。あまり気にせずにやりたい。このコースは攻めようにも攻めきれないので一打、一打必死にやるしかない」と渋野。世界で積んだ経験を糧に、ショットで試合を作って逃げ切りをはかる。(榎本 友一)
◆19年ワールドレディスサロンパスカップ 初日に11位発進した渋野は、第2Rで1差2位に浮上し、第3Rでぺ・ソンウ(韓国)と首位に並び最終日に臨んだ。アマの吉田優利も加えた最終組で終盤にぺを1差で振り切り、大会史上最年少の20歳178日で初優勝。海外勢のメジャー連勝を「5」で止め、令和最初の国内メジャー女王となった。