2022年のJLPGAツアー第1戦「ダイキンオーキッドレディス」が3日、沖縄・琉球GCで開幕する。昨年、賞金女王に輝いた稲見萌寧や昨年優勝者の小祝さくららが、開幕戦Vを目指して熱い戦いを繰り広げる。このほど、21年の最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」で初優勝を飾った25歳の三ヶ島かな=ランテック=が、昨シーズンを振り返るとともに今シーズンの目標を語った。
昨シーズン、新たなヒロインが誕生した。最終戦となったリコーカップで悲願の初優勝を飾った三ヶ島。プロ6年目でつかんだ栄冠だったが、道のりは決して順風満帆ではなかった。「予選落ちが止まらなかった」。19年の最終戦リコーカップ後に、アマチュア時代からコーチを務めていた父親のもとを初めて離れ、渋野日向子を指導していた青木翔コーチに2年間師事。「ポロッと言われたひと言がドンピシャ、はまりました。この機会に基本をしっかり身につけたいと思った」とドローからフェードへと、スイング改造にも積極的に取り組んだ。
「いままでカット軌道なのに無理に手首を使ってドローを打っていた」。長年、手首のケガにも悩まされていたが「いらないクセをそぎ落としたら、手首を使わずに体で打てるようになった」とフェードヒッターへと見事に変身。「フェードにして、曲がりが少なく縦距離が合うようになった」。悩みが解消され、徐々に自信を取り戻していく。
そして、迎えた21年のリコーカップ。最終日、勝負のサンデーバックナインに差しかかる。勝負の分かれ目となったのは15番パー4。「ティーショットを右にミスをして、2打目がバンカー。さらに目玉…。手が震えているのがわかりました」。慌てることなく冷静に状況判断し、脱出に成功。ボギーでしのぎ、思わずガッツポーズが出る。終わってみれば2位と4打差つけての優勝。
「初優勝は家族と所属先のランテックさんのおかげ。ジュニア時代からゴルフを続けさせてくれた家族には感謝しかない。これからも優勝を重ねて恩返しをしていきたい」と笑顔で感謝を口にする。
3日からいよいよ、22年シーズンが始まるが、開幕戦に向けての準備も怠ってはいない。毎年オフには、プロ野球・DeNAの選手の自主トレにも参加。近年は苦手なジャンプトレーニングにも取り組んでいる。「実は縄跳びがほとんど飛べないくらいジャンプが苦手でしたが、今では机の高さくらいなら飛び乗ることができますよ。おかげで足の裏の使い方や、体のタイミングの取り方が分かるようになりました」とフィジカル面の成長を実感するなど、充実したオフを過ごしてきた。
昨年の国内メジャー優勝で、一躍トッププロの仲間入りを果たした三ヶ島は「今シーズンは複数回優勝が目標。できればスポットで海外メジャーにも挑戦したい」と目を輝かす。開幕戦、そして今後の活躍に注目したい。(取材協力=森永高滝CC)
◆三ヶ島 かな(みかしま・かな)1996年7月13日、福岡県生まれ。25歳。父親の影響で10歳からゴルフを始める。沖学園高卒業後、2016年より単年登録でレギュラーツアーに参戦し、17年に初シード獲得。18年にプロテスト合格。昨季最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」で念願の初優勝を果たす。164センチ、51キロ。ランテック所属。