中島啓太「神様に報われるように」…松山以来11年ぶりベストアマのカギは超難所12番 7日開幕マスターズ


マスターズの招待状を笑顔で披露する中島啓太(日本ゴルフ協会提供)

マスターズの招待状を笑顔で披露する中島啓太(日本ゴルフ協会提供)

 男子ゴルフで世界アマチュアランク1位の中島啓太(21)=日体大4年=が日本人アマとして松山英樹、金谷拓実に続き3人目のマスターズ(7日開幕、オーガスタナショナルGC)出場を果たす。2011年大会の松山(27位)以来のベストアマを狙う新鋭がスポーツ報知のインタビューに応じ「雰囲気にのまれないように自分のゴルフをしたい」と意気込んだ。(取材・構成=榎本友一、岩原正幸)

 3月下旬に渡米した中島はナショナルチームのスタッフ陣と順調に調整を重ねてきた。ガース・ジョーンズ・ヘッドコーチ(オーストラリア)からも「戦える」と助言を受けた。

 「ドロー(左へ曲がる打球)が有利の印象が強かったけど、しっかり自分のフェードボール(右へ)でも戦えると言ってもらえた。ベースになるフェードを磨いて、要所要所でドローが打てるように」

 試合映像を見たり、ヤーデージブックでオーガスタのイメージを膨らませてきた。

 「(小川越えの)12番パー3は怖いけど、楽しみ。神様がいると聞いているので“ゴルフの神様”に報われるように。(グリーンは)傾斜が大きいので、繊細なショートゲームが求められる」

 昨年11月のアジア太平洋アマ選手権(UAE)で香港選手をプレーオフで下し、夢舞台の初切符をつかんだ。

 「勝たなければいけないと思っていた試合。最後まで自信を持ってプレーできた。大学入学時、アジアアマに勝ってマスターズに出るとみんなの前で発表したので達成できてうれしい」

 マスターズのほか全米オープン(6月)、全英オープン(7月)とメジャーを控える中、オフは国内で体力向上、スイングの調整に努めた。

 「筋肉量も増え、練習量に耐えられるようになった。前にできなかったことができるようになり、成長した。一個一個準備して、しっかりと力を出し切りたい」

 マスターズを見たのはゴルフを始めた6歳から。13年にアダム・スコット(オーストラリア)が優勝した場面が脳裏に焼き付いている。

 「オーストラリア人初というのがすごい快挙なんだと印象に残っている。松山さんも日本人初、そういう歴史的快挙の瞬間は印象に残ると思う」

 松山が優勝した昨年大会は国内ツアーの宿泊所でテレビ観戦した。

 「感動して、泣きました。夢をかなえることのすごさ、本当に感動をもらいました」

 1月の米ツアー出場時(ソニー・オープン、ハワイ)には、優勝した松山の最終日バックナインについて歩いた。

 「常に攻めるゴルフを見られたのですごい。プレーオフの最後にあのショット(イーグル)が打てるのは素直にかっこいいと思いました」

 ディフェンディング覇者として出場する松山以来の日本人2人目のベストアマの期待が懸かる。

 「独特な雰囲気だと思うので、のまれないように自分のゴルフをしたい。雰囲気や文化も楽しめたらいい。具体的な目標を立てるのではなく、自分ができた準備を100%発揮できるように集中したいと思います」

 ◆オーガスタナショナルGCの12番ホール “世界一美しく、世界一難しい”といわれる155ヤードのショートホール。風の読みも難解で、グリーンの奥行きが狭く、手前のクリーク(小川)に入れれば、ダブルボギーもあり得る。難易度が高い11~13番ホール「アーメンコーナー」の一角。アーメンコーナーは“神に祈らなければならないほど難しい”との意味が込められる。

 ◆中島 啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉・加須市生まれ。21歳。6歳でゴルフを始め、代々木高2年時の18年オーストラリアアマで日本人初V。同年アジア大会個人、団体金メダル。日体大に進み、日本男子3人目の世界アマランク1位。昨年は日本アマ優勝、パナソニックオープンでツアー史上5人目のアマ優勝、アジア太平洋アマ優勝。178センチ、75キロ。家族は両親と姉2人。

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